VMwareは米国時間11月8日、仮想アプライアンスの認定と販売を行うプログラムを開始した。同社はこれまで長い間、仮想化ソフトウェアで実行可能なあらかじめパッケージングされたソフトウェアアプライアンスの必要性を提唱してきた。
この動きは、VMwareが以前行っていた、ソフトウェアのテストのために仮想アプライアンスのサポートを拡大したものだ。現在は、同社の「Virtual Appliance Marketplace」から仮想アプライアンスを購入できる。EMCの子会社であるVMwareは、こうしたアプライアンスが正しく動作することを保証する認定プログラムも同時に開始した。
「このプログラムによって、ソフトウェアの配布モデルとインストールモデルを簡略化することができる」と、VMwareの製品管理ディレクターであるSrinivas Krishnamurti氏が、同社がロサンゼルスで開催したVMWorldカンファレンスのインタビューで述べた。VMwareはすでに仮想アプライアンスのダウンロードサービスを提供しているが、今回はそこに購入機能と認証プログラムを追加した。
VMwareは、同マーケットプレイスが「Virtual Infrastructure」製品の販売を促進すると予想している。また、同社は今後、利益性を上げていけるようにしたいと考えている。
「現在、同市場で販売している(ソフトウェア関連企業の)利益はまだ小さい」とKrishnamurti氏は言う。
仮想化技術を用いれば、1つのコンピュータ上で複数のOSを同時に実行できる。これを利用すれば、メインフレームやUNIXサーバなどのハイエンドマシン上で、効率よく巧みに複数のタスクを扱うことが可能になる。Intelの「Xeon」やAdvanced Micro Devices(AMD)の「Opteron」などのx86系プロセッサを用いている現在主流のサーバでは、この仮想化技術が利用できるようになってきている。VMwareはx86系サーバの仮想化市場をリードしているが、XenSourceやMicrosoftなどの競合他社も追い上げてきている。
VMwareの考え方では、ソフトウェアの設定やチューニングは、OSと高レベルアプリケーションの組み合わせ方を熟知している専門家に任せるのが最もよいということになる。このとき、顧客はあらかじめパッケージングされたソフトウェアコレクションを、仮想アプライアンスとしてVMwareの「ESX Server」やXenSourceの「XenEnterprise」、Microsoftの「Virtual Server」などの仮想化基盤上で実行する。
しかし、仮想アプライアンスを用いるアプローチは、いくつかの問題点を抱えている。OSのライセンス料が高額になる可能性があることと、アプライアンスが柔軟性に欠けることだ。
「このアプローチは、クッキー遮断ソフトウェアなどを正しくインストールしたいというような場合に、最も効果を発揮する。ソフトウェアをそれぞれ個別に調整する必要があるような場合は、あまり大きな利点はない」と、IlluminataのアナリストであるGordon Haff氏は言う。VMwareは本プログラムで、Citrix Systems、Symantec、Hewlett-Packard、Dell、BEA Systemsを含む何社かのパートナーと連携している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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