Microsoftが、中国で技術ライセンシングプログラムを展開している。
同社が新興企業に技術のライセンス提供を始めたのは、2005年5月のことだ。米国時間10月31日の発表によると、同社は中国でもこうしたプログラムを実施しており、このたび新たに、2社の中国企業に3件の携帯電話技術のライセンスを供与したという。
MicrosoftのIP Venturesプログラム担当シニアディレクターDavid Harnett氏は、「中国に投資するとともに、同国のソフトウェア市場を強化する取り組みの一環として、ライセンスを提供している」と述べている。北京にあるMicrosoftの研究施設や、中国内のほかの開発施設におけるライセンス開発を発展させることが同社の主な目的だと、Harnett氏は説明した。
「中国の技術革新力を生かして、現地のソフトウェア産業を活性化することを主眼に置いている。(中国では)ソフトウェア産業が急速に成長しており、Microsoftは、IP Venturesを通してこれを支援するのが最良の道だと考えている」(Harnett氏)
Microsoftは、深センに拠点を置くComtechに、携帯端末で画像を閲覧する技術と、映像を圧縮する技術のライセンスを提供した。Comtechは携帯電話や通信機器、消費者向けデバイスを設計する会社で、中国企業および多国籍家電メーカーが同社のデザインを採用している。Microsoftからライセンス提供を受けた残りの1社はTalkwebという企業で、こちらは、ウェブサイトに写真をアップロードしたり、アニメーションを自作したりする技術のライセンスを取得した。自作したアニメーションは、マルチメディアメッセージングサービスを利用して、ほかの携帯電話や携帯端末に送信することができる。
湖南省長沙に本拠を置くソフトウェアメーカーTalkwebで、戦略およびプランニング担当ディレクターを務めるLisheng Xiang氏は、「Talkwebが中国の携帯アニメ産業を明るい未来に導くものと、心から信じている」とコメントした。
Harnett氏によると、Microsoftは、ComtechやTalkwebと同様に他社ともこうした契約を結ぶことを検討しており、さらには同社の技術を専門に扱う新興企業を立ち上げる計画も温めているという。Microsoftは、既存の企業や新たに興された会社に自社技術のライセンスを提供し、みずから市場に投入する予定のない商用製品を開発させるという戦略を、米国や欧州ですでに実現させている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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