新しさと美しさと洗練、欲張りアクセサリーケータイ---NTTドコモ SH903i - (page 3)

NTTドコモ
内容:ナンバーポータビリティーが2006年10月24日からスタートし、ケータイに対して世の中から一段と熱い視線が向けられている時期にNTTドコモが投入した903iシリーズ。これまでのカメラ、おサイフケータイに加え、GPS、着うたフル、ケータイNapsterといった新しい機能への対応を果たして登場した一番手はSH903iだ。とにかく洗練されたこの新しい端末は、生活にどのような変化を与えてくれるのだろうか。

リッチなジオ・モブログ

 903iシリーズでは、iモードメールの添付ファイルが合計2Mバイトまで緩和された。これまでは500KBだったためメガピクセルフォトを送りたくてもサイズダウンを余儀なくされていたが、SH903iなら撮影したままの写真を送信できる環境が整った。ただHSDPA対応ではなく上り回線のスピードは今までのFOMAと同じ64kbpsであるため、フルHDサイズの写真を送信するのにだいたい3分前後はかかる。そしてもちろん、パケット定額制に加入した上でのご利用をおすすめする。

  • カメラの撮影画面

  • カメラのメニュー画面。ここで設定を一括編集できる

  • GPSメニュー

 さて903iシリーズで新たに標準機能として盛り込まれたのがGPSである。今までのDoCoMoのケータイは、iエリアという面での位置情報取得とそれに対応した情報配信に対応していたが、これからはGPSによって点の位置情報を得ることができるようになる(すでに先行してGPSを搭載している端末にはムーバ F661i、子ども向けSA800i、SA702iがあった)。早速GPSで位置情報を取得してみると、空が見渡せる場所では10秒ほどで位置情報(誤差50m以内)を取得できる。屋内や地下でも、15秒〜20秒ほどでその場所に合わせた精度の位置情報を取得することができた。

 取得した位置情報をどのように使うか。まず903iがリリースされて始まったのが「ケータイお探しサービス」である。ケータイを忘れたりなくしたときに、パソコンからMy DoCoMoのサービスを利用して、ケータイの現在の位置を検索できるサービスだ。申し込みは不要で、位置情報検索に成功する毎に1回315円が課金される。これと同様のサービスが、キッズケータイのリリースに合わせて始まった「いまどこサーチ」だ。こちらは月額210円で、1回の検索に5円がかかる。

 それ以外の使い道として、ケータイからブログをアップデートするモブログに位置情報を付ける「ジオ・モブログ」を行うこともできる。他のキャリアから出ているGPS端末ではすでに実現していたことだが、写真を撮影して、位置情報を取得し、写真にGPSデータを埋め込んだ上で、メールでサービスに送信する、という手順を踏めば、位置情報付きの写真を簡単にアップロードできる。SH903iでは写真に位置情報を付加すると、撮影情報であるExifデータとして書き込んでくれる。

 位置情報付きの写真に対応したサービス、たとえばオンライン写真共有サイトのFlickrでは、位置情報をExifデータから直接読み取り、自動的に地図上に写真をマッピングしてくれる「Geo Tagging」機能を利用できる。今までのモブログに位置情報取得というプロセスを追加する簡単な操作の割には、衛星写真の上に次々に地図がプロットされる様子はなかなか興味深い結果を得ることができる。

 特に旅行へ行ったときにマメに位置情報を付けながら写真を撮っていくと、旅の思い出がより鮮明になるし、人に教えて同じ風景や体験をなぞってもらったり、自分で気に入ったルートを再びふりかえる時にも利用できる詳しいデータとなる。もちろん、端末の中に位置情報付きの写真を保存しておくだけでも、後から地図を表示するなど位置情報を参照することが可能だ。SH903i本体やmicroSDの中で、気に入ったレストランガイドを位置情報と料理の写真付きで作っていく時にも便利だ。

 取得した位置情報は、メールなどで送信することもできる。写真に位置情報が付加されている場合、メールに添付しようとすると、本文に地図URLを添付するか、と聞かれる。このURLはケータイからしか見られないようだが、お気に入りレストランガイドのお店を友人に教えるときに、写真を添付するだけで相手に場所の地図まで伝わるなら、位置情報の実用的な使い勝手も理解しやすいのではないだろうか。

 

なお、SH903iのジオ・モブログを僕のFlickrで随時行っているので、カメラの作例やジオ・モブログに興味のある方は参照してください http://www.flickr.com/photos/taromatsumura/tags/sh903i/


4つのメニューの使い分けとLife Kit

  • カスタマイズ可能なショートカットメニュー

 SH903iには通常のメインメニューの他に、シャープ端末ではおなじみのカスタマイズ可能なショートカットメニュー(9機能ずつ2グループ登録可能)、必要な機能だけを表示して簡単操作が可能なズームメニュー、そして履歴メニューの4種類が存在している。

 それぞれへのアクセス方法は、メインメニューへは待ち受け画面から決定ボタンを押す、ショートカットメニューは待ち受け画面で上矢印キー、履歴メニューは待ち受け画面で下矢印キーだ。なおメインメニューからソフトキーでメニュー切り替えをすればショートカットメニュー、ズームメニューと変化し、待ち受け画面から決定キーを押したときに起動するメニューを選んでおくことができる。

 履歴メニューはカレンダーが表示された面の右側に、メール、マイピクチャ、iモーション、iアプリ、iモード、フルブラウザ、ミュージックとスケジュールのアイコンが並んでおり、上下キーで順番に選択する仕組みになっている。項目を選択すると、それぞれの直近の履歴のタイトルを5件ずつ表示してくれる。それぞれの履歴は、項目を使用した日時を表示してくれるほか、マイピクチャやiモーションではサムネイル画像が表示され、iモードではアクセス先のURLがスクロールで流れる。

 ケータイとともに生活している我々にとって、ケータイを使っていつ何をしたと言う自分の行動をふりかえるにはピッタリのツールではないだろうか。しかしそれならば、この履歴メニューからふりかえれるのが各5件というのは少ないのではないだろうか。またせっかくGPSが搭載されているのだから、位置情報の取得履歴が5件残っていてくれるとまたおもしろかった。ちなみにGPSメニューから、位置情報履歴にアクセスすることは可能だ。

  • LifeKitメニュー

 メインメニューの中でもう1点気になったのが「LifeKit」という項目だ。ここの中にはバーコードリーダー、赤外線通信、おサイフケータイ(トルカ、ICカード一覧、ICカードロック)、microSD管理、GPS、スケジュール、便利機能(電卓、テキストメモ、タイマー、アラームなど)の項目が集められている。ケータイの通信以外のサービスがばかりが集められている格好だ。

 これらをLifeKitというネーミングでまとめ、ケータイのリアル連携ツールとしての側面を際だたせることになり、昨今のケータイの性格をよく表しているメニューだと言える。ユーザーからすれば、日常使う機能が集められているわけで、ゆくゆくは直接このLifeKitメニューへ飛べるボタンが用意されても良いのではないかと思った。もちろん多くの人がそうしているように、ショートカットメニューをカスタマイズすることで、自分なりのLifeKitメニューを作って、1ボタンでアクセすることも、このSH903iなら可能だ。

  • 待ち受け画面のストックアイコン

 メニューについて、最後に「ストックアイコン」を紹介しておきたいと思う。先代のシャープ端末から採用されたこの機能は、不在着信や新着メールがあると、待ち受け画面の左側にタブのようなモノが現る。これがストックアイコンだ。通常待ち受けでは決定キーを押すとすぐメニューに行くが、このアイコンが現れているときはストックアイコンの項目を見るか、メインメニューへ行くかを選択できるようになる。

 メインメニューを選んだ後は、待ち受け画面のじゃまにならないように左端にアイコンと件数の数字だけ表示されるようになる。このあたりの振る舞いが心地よいし、とにかく美しいディスプレイのじゃまは極力端に寄せておこうという配慮もまた、シャープのケータイであるアイデンティティが垣間見られる瞬間である。

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