Internet Explorer 7の登場により、さらに活発な利用が期待される「フィード」。コンテンツの配信だけにとどまらず、フィード内に広告を挟んで配信するフィード広告のビジネスも注目されている。
10月26日に開催された「第5回フィードビジネス・カンファレンス」では、フィードのトラフィック測定や広告配信のための管理システム「FeedBurner」の国内独占販売権を持つGMOアドネットワークス 取締役の村井説人氏が登壇し、「FeedBurnerが提供するWEB2.0的RSS広告について 〜成長するRSS市場の端緒を見る〜」と題した基調講演を行った。
村井氏は「“フィード”は電子メール、ウェブに次ぐ第3のインターネットメディアとして期待されている。当社はそのマネジメントに着目している」と語り、FeedBurnerについて説明した。
FeedBurnerは、詳細な分析レポートや、フィード広告の配信頻度や掲載位置などを自在に加工できる管理機能、個別記事単位でのアフィリエイト設定機能など、さまざまな機能を備える。フィード情報のトラフィック測定や加工管理を実現するため、ウェブメディアやブロガーといったパブリッシャーの数は毎月10%ずつ増加しているという。
「現在ワールドワイドで37万ものパブリッシャーと2000万人以上の読者にフィードを配信している。フィード広告の市場はまだそれほど大きいとは言えないが、2006年3月期からは広告収入が黒字化している。このペースで伸長すれば、かなり大きな市場になるだろう」(村井氏)
情報を収集する際、これまではポータルサイトを使うか、あるいは検索サービスにアクセスし、キーワード検索で情報を収集していた。しかし、フィードが登場したことによって、情報を収集するスタイルが変化したという。「フィードを活用することで、目的別に大量の情報を取得できるようになった」(村井氏)。
また、フィードでの情報配信では、継続して購読されているものが多いという。「フィードの購読は、いつでも始められるし、いつでもやめられる。しかし、継続的に購読している読者は多く存在する。これは実に驚くべきことで、今後こういった読者を増やしていきたい」(村井氏)。パブリッシャーと読者をフィードでつなぎ、広告のネットワークを作るうえでは、このような読者が多いことは非常に価値が高い。
FeedBurnerではパブリッシャーをスポーツや音楽といった「チャネル(カテゴリ)」に分け、FeedBurner Channelsという広告メディアを提供している。広告主は広告を配信したいチャネルを選んで広告を配信するという仕組みだ。しかし、村井氏は「これはディレクトリ検索に近い考え方であり、Web 2.0的とは言えない」と語り、新しい広告メディア「FeedBurner Network」について紹介した。
FeedBurner Networkは、パブリッシャーが「ネットワーク」と呼ばれるカテゴリを自ら形成し、ほかのパブリッシャーがそのネットワークに参加していくことで、パブリッシャー同士がカテゴリを形成し、大きくしていくというもの。
たとえば、あるブロガーが「スポーツ」というテーマのネットワークを作れば、そこにスポーツに関する記事を載せているメディアやブロガーが自発的に集まり、大きな「スポーツ」のネットワークが形成されていくという具合だ。「参加型のメディアを形成し、それを価値のある物に変革する」というテーマから生まれた広告メディアになる。米国ではすでにサービスを提供しており、国内でも2006年内をめどにサービスを提供する予定だ。
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