ハードウェアメーカーのASUS、Planex、QNAPが、自社の一般消費者向け製品にBitTorrentのファイル共有技術を組み込んで販売することになった。
米国時間10月23日にBitTorrentが発表した声明によれば、ASUS、Planex Communications、QNAPの3社は、ワイヤレスルータ、メディアサーバおよびネットワークストレージ機器などの製品に、BitTorrentのPtoP技術を搭載する予定だという。ASUS製の2種類の機器については、PCを使用せずに、BitTorrentの技術を介してデジタルファイルをダウンロードできるよう設定することが可能になるという。
BitTorrentの共同創設者であるAshwin Navin氏は、次のように語っている。「今後ユーザーは、ネットワーク機器にメディアを保管するようになるだろう。ネットワーク機器にBitTorrentの技術が加われば、自宅にある複数のPCにファイルが散在することがなくなり、それら機器を、たとえば、家族全員で共有する1台のジュークボックスとして利用することが可能になる」
BitTorrentは、これまで長い間インターネットを利用した音楽著作権を侵害するためのツールと見なされてきたが、今やビデオなどの大容量のデジタルファイルをダウンロードするための最も高速な方法の1つとなっている。
一般消費者向けのエレクトロニクス機器のメーカー各社が、「デジタルリビングルーム」の分野に自社の領域を確保しようと狙うなか、BitTorrentは、ホームネットワーク上で音楽やビデオ、その他のメディアをやり取りするための効率的な方法の1つとして自社の技術を押し出している。
しかしその一方で、同社が予定していたビデオオンデマンド・ストアの開始は、延期されたままだ。2006年5月、BitTorrentは、ウェブ経由でWarner Bros. Entertainment Groupの映画を配信する画期的な取引を同社と交わしたことを発表した。
それまでの多くの映画会社が、BitTorrentを、不法なファイル共有に使用されているとして警戒していたが、Warner Bros.は映画会社として初めて同社の技術を採用した。
同社の広報担当者によれば、BitTorrentのビデオストアは現在、販売可能な映画のタイトル数を増やそうとしている最中であり、オープニングは2006年末、または2007年まで延期される可能性があるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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