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業績低迷の中でウイルス感染--ベクター社長が明かす次の一手 - (page 2)

島田昇(編集部)2006年10月23日 13時06分
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ゲーム事業、「新規参入でも生き残れる戦略がある」

--ここ2年、御社の業績は踊り場を迎えているように映ります(下のグラフ参照)。

 1995年までのPCの普及率は15%程度でしたが、今は70%を超えています。テレビ並の普及率になったネットは、ネットそれ自体がコンテンツとなりました。従来はソフトがコンテンツの主流でしたが、当時のソフト使用率を100として見た時、ソフトは今、20を切っているでしょう。例えば、時刻表・路線検索や百科事典などのサービスは、ソフトではなくヤフーやグーグル、ウィキペデイアなどネット上からサービス提供しています。

 特に、ゲームというジャンルのダウンロードは一番減っているかもしれません。そのため、当社も「MicMacオンライン」 のようなオンラインゲームに参入することとなりました。

ベクターの業績推移

--オンラインゲームは競合が多く、ユーザーもマニアに限定されている感のあるマーケット。新規参入企業としてどう差別化するつもりですか。

 確かに、ユーザーはマニア化している面もありますが、比較的ライトなゲームが人気を博しているのと連動する形で、ユーザー数自体は増えています。そのように感じられるのは、ユーザーの伸びよりもタイトル供給数の伸びの方が大きいからでしょう。おそらく、こうした状況は来年まで続きます。そしてその中で、淘汰が始まるでしょう。

 その理由は、プロモーションおよび維持費に耐えられず、コスト割れする企業が出てくると想定されるためです。オンラインゲームは比較的、参入障壁が低い。だから過剰供給になっているのです。オンラインゲームはだらだらと続きますから、バージョンアップによる画質向上など開発費が続かないということになりがち。この企業体力を必要とされる状況に耐えられるか否かが、重要になると考えています。

 当社の強みとしては、集客力に長けていることです。当時のフリーソフトでゲームをしていたユーザー層と、オンラインゲームをしているユーザー層は、マーケット的にかぶっています。従って、当社は既存ユーザーの存在を生かすことで、プロモーションコストを抑えることが可能です。ですから、今後の2年の淘汰の時期を生き残れる戦略を、当社は取っていくつもりです。

--いかに魅力的なコンテンツを確保するかという問題もあります。

 当然、タイトルの魅力は重要ですが、ビックタイトルばかりが必要ということではなく、もう少しライトなゲームでも十分にビジネスが成り立つと考えています。ユーザーはビックタイトルをいくつもやるわけではないので、1つだけのビックタイトルだけではリスクがありますし、それがないのも問題です。

 理想的なのは、1つのビックタイトルのユーザーが、その一方でライトなゲームもいくつかやるというパターン。この状況を作れるタイトルラインナップを目指していきたいと思っています。

--もう1つの経営戦略の軸としてブログ事業を挙げています。

 「Vector maglog」(マグログ)はブログ運営者が個人情報の分からない読者も含めて課金対象者から料金回収できるのが売りで、有料サービスを手軽に始めたい人に向けて提供していきます。当社は課金代行による手数料で収益を得ます。有料サービスとしてソフトだけでなく、有料コンテンツや有料コミュニティーにも応用できるのが大きな強みの1つです。

 例えば、ファンクラブ運営は手間とコストがかかりますが、マグログを使えば少ないファンでも低コストでクラブ運営ができるようになります。「読者の個人情報は分からないがお金が入ってくる」ということをやりたい人たちのインフラにしたいと思っています。

 今話題の消費者が主体となって生成するメディア「CGM」あるいは「CGC」と呼ばれるコンテンツのビジネス化は、まさに当社がいち早くやってきたこと。得意分野と言えます。ですから、ソフトの低迷の一方で、当社が取り組むべき事業はブログです。ただ、ブログ事業全般でマジョリティーを取るつもりはありません。マグログは全ブロガーのうち取れるシェアの上限はせいぜい1%でしょう。しかし、時間はかかるかもしれませんが、収益性は高いので、今後の収益の柱になれると期待しています。

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