インターネット広告市場におけるシェア拡大を狙うYahooは、米国時間10月17日、同分野に属する2社の企業に投資したことを発表した。
Yahooが買収を計画しているAdInteraxは、マルチメディア広告を作成するマーケッター向けツールを提供する企業。Yahooは同ツールを、広告主を対象にした既存サービスに組み込んでいく意向だ。金額面に関する詳細情報は明らかになっていない。
Yahooのグローバルセールス部門バイスプレジデントであるTodd Teresi氏は、「リッチメディアのエクスペリエンスをより普遍的なものにしなければならないという考えをもって、インターネット広告分野への参入を進めている。リッチメディア広告は、顧客との関係をきわめて密度の濃いものにし、ユーザーエクスペリエンスを増大させ、市場での立場を有利にするものだ。さらには、ネットワークにおける効率を向上させることも可能になる」と語った。
これまでYahooは、サードパーティーのマルチメディア技術プロバイダーと提携して、アニメーション、音、映像などを使ったリッチメディア広告を提供してきた。こうした体制は今後も維持するが、Yahooとマーケティングに関する契約を結んでいる広告主に対しては、独自のリッチメディア技術を無料提供していくと、Teresi氏は説明している。
このほかにもYahooは、Right Mediaの4500万ドルのSeries B増資計画を主導した。Right Mediaは、「Right Media Exchange」と呼ばれるリアルタイムオンライン広告オークションネットワークを運営している。YahooはRight Mediaへの投資により、同社株式の20%を取得することになる。今回のRight Mediaの資金調達には、Redpoint Venturesや、これまで同社に投資してきた投資家などが参加している。
Yahooは、Right Media Exchangeに参加することで、広告主がYahooのバナー広告に入札したり、Yahooの広告在庫を参照したりできるようにしたいと考えている。さらに、Right Mediaの役員会にも人を送り込むつもりだという。Right Media Exchangeを通じて取り引きをしている売り手および買い手は、1万1000社以上に達している。
Right Mediaは2006年6月にこのシステムを立ち上げた。同システムでは、ウェブサイトがディスプレー広告スペースを最も高値を付けた相手に売ることができる。ここでは、価格を設定し割引を決める権限を持つ広告代理店や、「Yahoo Publisher Network」および「ValueClick」のような広告ネットワークに仲介してもらう必要はない。
Yahooは、17日の市場取引終了後に第3四半期の財務報告を行っている。同社は新たなオンライン広告プラットフォームのリリースを、第4四半期に延期している。
同社では自動車や金融サービス会社からの広告出稿が低迷していることが明らかになっているが、今回の広告分野に関する投資にはそうした背景も影響を与えていると思われる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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