Linuxユーザーに広く利用されているインタフェースであるKDEとGNOMEの溝を埋めるため、Portland Projectはバージョン1.0にあたる成果物をリリースした。
Portland Projectでは、KDEとGNOMEの環境に対応する共通インタフェース一式を開発している。同プロジェクトの目的は、プログラマーやソフトウェア会社が双方のインタフェースをサポートしやすくすることである。
Portlandは、LinuxおよびUNIXのデスクトップソフトウェアプロジェクトを統一する目的で、Open Source Development Labs(OSDL)とFreedesktop.orgによって取り組まれている。両団体は米国時間10月11日に同プロジェクトのソフトウェアリリースを発表した。
人的資源にしろ、プログラミングの取り組みにしろ、Linuxの世界は長い間、2つのプロジェクトに分断されていた。一方のインタフェース用に設計されたソフトウェアを、もう一方のインタフェース上で稼働させることも可能であるが、ユーザーはそのために、それぞれのインタフェースをサポートするコンポーネントを共にインストールしておく必要がある。またソフトウェア会社は、双方のコンポーネントがインストールされていると想定してソフトウェアを設計するわけにはいかないのである。
451 GroupのアナリストRaven Zachary氏は、「Linuxは、統合されたユーザーインタフェースを持たない唯一のオペレーティングシステムである」と述べている。
同氏は「たいていの場合、ディストリビューション(Red Hatといった組織によって提供されるLinuxソフトウェア一式)は一方を選択してインストールするか、あるいは双方をインストールしておくようになっているため、そういったことが大きな問題となることはない」と述べつつも、ユーザーにとってはまぎらわしく、2つのインタフェースをサポートするためにリソースが浪費されていると付け加えた。
KDEはQtと呼ばれる、ボタンやプルダウンメニューといったコンポーネントのライブラリを使用しているのに対して、GNOMEはGTK+と呼ばれるライブラリを使用している。例えば、PDF(Portable Document Format)ファイルを閲覧するためのAdobe Readerソフトウェア(Linuxバージョン)を稼働させるには、GNOMEのGTK+インタフェースコンポーネントがインストールされている必要がある。
Portlandには早期の段階からサポートが表明されていた。Qtの開発会社であるノルウェーのTrolltechによれば、10月2日の週にリリースされた「Qt 4.2」はPortland 1.0に対応しているという。さらにOSDLによれば、Linuxディストリビューションである「Red Flag」と「Xandros」も次回のリリースにおいてPortland 1.0に対応するべく開発中であるという。
このソフトウェアはPortlandのウェブサイトからダウンロードすることができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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