日本でいち早くオンラインゲームのサービスを運営しはじめた会社の1つである、ガンホー・オンライン・エンターテイメント。そのガンホーが、2006年の9月で登録ID数が150万を突破したと発表した。
競合他社が群雄割拠するオンラインゲーム市場において、ガンホーがどのようにしてユーザー数を拡大していったのか。そして、これからどこに向かおうとしているのか、代表取締役社長の森下一喜氏に聞いた。
本当の意味でのブレイクスルーというのは、正直まだ来ていないと思っています。ただ、だからといって停滞しているのかというと、決してそうではない。企業の成長というのは、大抵曲線を描くものなのですが、それが直線を描いて成長しているのです。おどろくほどに。
これは、インターネットビジネスをやっているいろいろな会社で話を聞いても同じで、ある特定のブレイクスルーを迎えて一気に2次曲線を描いて成長していくのではなく、ずっと右肩上がりの直線を描いて伸び続けているという状態なのです。
ですから、オンラインゲームという市場はブレイクスルーというような分岐点にはまだ立っていない。まだまだこれからなのではないかと思っています。
非常にコンテンツも増えてきており、マーケットとしては大きく成長していると思っています。また、自社サイトへの勧誘という意味合いもある無料ゲームまで含めると、オンラインゲーム市場は非常に広大で、大きな可能性があると思っています。
黎明期から成長期、そして成熟期という分け方をすると、今はちょうど成長期にさしかかったところだといえるのではないでしょうか。
これは弊社に限った話ですが、登録していただいた150万のお客様の多くは、有料サービスに対してお申し込みいただいたお客様です。しかし、インターネットでは無料のサービスが数多くあり、それを求めるお客様も多数いらっしゃいます。150万という数字は大変良い数字だとは思いますが、そういった潜在的なユーザーを取り込むことができれば、もう1桁越えた成長が可能だと思っています。そして、それができたときが後になってブレイクスルーした地点だったと言えるようになるのではないでしょうか。
オンラインゲームという認知度はどんどん広がっているので、まだオンラインでのゲームをそれほど遊んでいないお客様--弊社ではカジュアルユーザーと呼んでいますが--を、これから取り込んでいきたいですね。
そういう意味も含めて、ガンホーゲームズを2006年の8月から立ち上げましたが、ここ最近、急激に女性の加入比率が高まっています。
これまでは弊社の場合、だいたい8対2の比率で男性の方が多かったのですが、ガンホーゲームズを立ち上げてからの比率は、6対4にまで女性の比率が高まってきました。この数字からも、女性ユーザーをはじめとしたカジュアルユーザーを取り込めているのではないか、という手応えを感じています。
これまで、異業種とのコラボレーションというものは、なかなか難しかったというのが正直なところです。まずゲーム、しかも「ロールプレイングゲームとは何か?」というところから説明して理解していただかなければならず、これが、MMO(大規模多人数オンラインゲーム)のようなオンラインゲームになるとさら大変なわけです。
それが、ガンホーゲームズになって、数多くの異業種のメーカーとコラボレーションができるようになりました。たとえばイート・レード証券のような証券会社やプライムのようなTVショッピングを取り扱う、全くゲームとは関係ない異業種とのコラボレーションが実現できるようになりました。つまり、カジュアルユーザーという裾野を広げたことにより、彼らが一緒に展開していきたしている顧客を取り込むことができたということのあらわれだと思います。
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