登録ID数150万を突破したガンホーが見る先は? - (page 2)

小川陽平(編集部)2006年09月21日 16時00分

--4年で150万というのは早かったと感じますか。それとも遅かったと感じますか

 「ラグナロクオンライン」を商用サービスする前に、プレスカンファレンスを行いましたが、そのときプレスの方から「どのくらいのユーザー数獲得を目標としているのか?」という質問をいただいて、「年内10万いきます」と答えたことがありました。でも当時は「そんな目標は不可能だ」とたくさんの方からいわれたんです。いく訳ないだろうと。

 それが、実際にふたを開けてみたら、13万のお客様が登録をしてくれた。今から思うと、これは非常に急激な伸びでしたね。ですから現在の150万という数字は、非常に順調に推移していったと思います。

 ただ、オンラインゲームという市場全体として見た場合、もっと急激な伸びとなる地点があっても良かったのではないかと個人的には感じています。

--多くのパブリッシャーも右肩上がりできたものが、現在の市場ではどちらかというと停滞を強く感じます。実際にかなり調子の悪いパブリッシャーも数多くあるようです。その中でガンホーが成長しつづけているという要因は何でしょう?

 1つはマーケットのシェアを可能な限り早い時期に、しかも多く得られことが、きわめて重要だったということですね。

 オンラインゲームという市場にはいろいろなコンテンツがありますが、新しく入ってきたお客様は、一番人気のあるゲームは何かということを調べて入ってきます。

 そういう意味でいうと、市場の裾野が広がれば底上げがされるというポジションにいるということが、きわめて重要なのです。サービス開始から4年経ってもラグナロクオンラインの会員数が増えているというのは、そのようなポジションを確立することができたというあらわれでしょう。

 2つめがプレイしていただいているゲームを、陳腐化させない努力です。 たとえば「ラグナロクオンライン」は2002年からサービスを提供しており、2006年の現在ですでに4年が経過しているのです。4年も経てばグラフィックも当然進化し、そういう面で秀でているゲームが次から次へとリリースされてきています。それでも「ラグナロクオンライン」の登録ユーザー数は伸びています。その要因はなにかといえば、ゲームとしての面白さ、売りという部分は確かに重要ですが、オンラインゲームでは“陳腐化させない努力”というものが必要なのです。

 お客様からすれば、先が期待できないコンテンツではプレイしていってゲームの中で作り上げた資産がどうなってしまうのか不安に感じるはずです。そう思われないために、新しいサービス、新しいトレンドを盛り込んで充実させていく努力が絶対に必要なのです。サプライズを提供しつづけるということです。

 ですから、「ラグナロクオンライン」では大規模なオフラインイベントも開催しています。他のメーカーからは、「何でオフラインのイベントなんかやるの?」と聞かれる訳です。プロモーションからすればお金がかかって費用対効果が薄いのじゃないのと。

 でも、お客様は自分の時間をかけて、キャラクターのレベルであったり資産であったりをバーチャルな世界で築く訳です。それがこの先プレイし続けてつづけていってどうなってしまうのかが分からないというのは、とても不安に感じるのではないでしょうか。そんな不安を解消するため、そして期待度を上げてもらうために、オフラインイベントを含め、定期的なオンラインイベント、季節ごとのオンラインイベントなどの企画を用意し、楽しんでいただくエンターテインメントとしてのサービスを提供していく必要があるといえます。これは継続率という点でも重要なことです。

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