Vodafoneは最終的に競合他社の戦略に習い、有線ブロードバンド市場へ確実な一歩を踏み出すことを認めた。
Vodafoneは現地時間9月11日、BT WholesaleからDSL回線を借り受け、自社ブランドとしてDSLサービスを2006年末までに開始すると発表した。価格の詳細については明らかにしなかった。
この計画では、Vodafoneはローカルループアンバンドリングに投資することなしに、イギリス全土でブロードバンド接続サービスを提供することができる。これは、事業者が自社の機材をBTの局舎に設置する手法で、Orange Broadband(元Wanadoo)やCable & Wirelessなどの事業者が用いている戦略だ。
この市場は競争が激しく、Vodafoneは投資に対する利益を上げるという、強い圧力にさらされる見込みだ。Vodafoneは企業顧客に対してすでにDSLサービスを提供しているが、下り回線および上り回線の速度の他、競争の上で価格も重要となる一般利用者市場でこのようなサービスを提供するのは初めてのことだ。
Vodafoneの顧客事業でディレクターを務めるTim Yates氏は、ZDNet UKの姉妹サイトであるSilicon.comに対し、Vodafoneは競合他社と回線速度で対抗するために、他のISPと契約を結ぶ予定はないと述べた。「そういうことは考えていない。われわれはBTの提供できる品質に満足している。これは他のサービスと比較して、勝っているとは言えなかったとしても、同程度のものだ」(Yates氏)
平均的な回線速度を提供しなければならないことに加え、Vodafoneは価格面での競争についても努力が必要となる。Carphone WarehouseやSky LinkなどのISP数社は、バンドルサービスに契約した顧客には「無料」でブロードバンドサービスを提供している。
Vodafoneの携帯電話事業の競合企業は、すでにブロードバンド市場に参入している。Orangeは携帯電話利用者に対し「無料」の自社サービスを提供しており、O2も最近、高速インターネット接続を提供するBeを買収している。Beは、理論上最大24Mbpsでの接続を可能にする次世代技術のADSL2+を提供している。
JupiterResearchのアナリストであるIan Fogg氏は、Vodafoneのブロードバンド戦略は、単なる模倣主義による判断ではないという。
Fogg氏は、「高い価格競争の圧力と無料のブロードバンドサービス提供が続く環境下で問題になるのは、投資に対する利益はどこから上がってくるのか、ということだ。インフラへの設備投資には、大きなリスクが伴う」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス