イーソルとアームは9月8日、英ARMのマルチプロセッサ「MPCore」向けT-Kernel「eT-Kernel Multi-Core Edition」の評価版を発表した。
T-Kernelは、TRONベースのリアルタイムOS。イーソルは、T-Engineフォーラムの配布しているT-Kernelを改良し、拡張版T-Kernel「eT-Kernel」として提供していた。eT-Kernel Multi-Core Editionは、eT-Kernelを「ARM11」コアベースのプロセッサ「MPCore」に対応させたもの。
MPCoreは、非対称型マルチプロセッシング(AMP)と対称型マルチプロセッシング(SMP)の両ソフト構成に対応している。eT-Kernel Multi-Core Editionは「Single Processor Mode(SPM)」と「True SMP Mode(TSM)」と呼ぶスケジューリングモードを実装し、SMPとAMPのそれぞれのメリットを1つのリアルタイムOSで提供可能とした。
プログラム間の通信は、実行されるCPUコアの違いにかかわらず、タスク間通信に用いるのと同じ通常の通信/同期APIが使える。そのため、既存のソフト資産の移植が容易という。また、単一OSであることから、OS間通信に必要な時間が発生せず、高速な協調動作を実現できる。
イーソルでは、MPCoreとeT-Kernel Multi-Core Editionで構成されるシステム向けのソフト開発のため、開発スイート「eBinder」の拡張を進めている。
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