まず外観から見ていこう。ビデオトランスミッター本体には、RCAの入力端子のほかに電源端子とUHFの周波数を変更するディップスイッチ、本体のオン/オフスイッチが用意されている。UHFの周波数は45、48、50、53chの4つが選択できる。住居地で使用されていない周波数に設定すれば混信することなく使用できるであろう。オン/オフのスイッチの横にゴムカバーがあり、カバーを外すとボリュームが見えるが取説には特に記載はない。
電源をつなぎ周波数を45chにセットしてポータブルテレビの受信チャンネルも45chにセットする。しかし、受信しない……。どうもこのトランスミッターは映像が入力されないと電波を出さない仕様になっている様で、入力機器から映像を入れたら無事受信することができた。画質はポータブルテレビの4V型の画面はもちろん、通常のテレビに映しても特に問題ない画質だった。画質的に問題になるのは電波の受信感度でポータブルテレビを離していくと徐々にノイズは増えていく。筆者の場合はリビングのDVDレコーダーからダイニングのカウンターまで、同じ室内で数mの距離での視聴なので特に問題はなかった。
音楽を飛ばすFMのトランスミッターも映像を飛ばすUHFのトランスミッターも基本的にはプライベート放送局を設置するような感覚だ。当然そこには電波法という法律が存在する。免許を要しない無線局として認められているのは、無線設備(トランスミッター)から3メートルの距離において、その電界強度が
322MHz以下…500μV/m(FMトランスミッター)
322MHzを超え10GHz以下…35μV/m(UHFトランスミッター)
となっている。UHFの周波数は45chで663.25MHz、53chで711.25MHzとなっており、このトランスミッターから3mの電界強度は35μV/mとなる。
電波法は日本国内の法律で、国によって規制が異なっている。ワールドワイドに販売されている製品の場合、輸出先によってボリューム等で出力を調整して出荷している可能性がある。ケースを開けて不用意にボリューム等を回す出力が強くなりすぎ電波法に違反することにもつながるので注意されたい。ちなみに電波法に違反すると罰金100万円以下、懲役1年以下となっている。
画質は送り出す側の電波の強さとアンテナ性能、受信する側のアンテナとテレビの感度によって影響を受け、弱ければ当然ノイズの量は増加する。とは言えポータブルテレビに外部の14素子アンテナをつないで受信するのも非現実的な話しなので、大雑把な印象としては同じ室内で数mならそこそこ問題なく受信できる。ノイズを我慢すればリビングから離れた場所でも受信することはできたが快適とは言い難い画質となった。このあたりも鉄筋、木造など建物の構造によって差が出るので、無線LANと同様、実際に設置してみないとわからない。逆にトランスミッターの設置場所を工夫すれば視聴範囲は広がる可能性はある。
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