匿名性の高いインターネット閲覧ツール「Browzar」の考案者が、数多く寄せられた批判に応え、同アプリケーションのホームページで用いられている検索ツールをただちに変更すると発表した。
先週の発表以来、BrowzarがYahooの「Overture」検索エンジンを利用し、スポンサード広告を通常の検索結果であるかのように表示することに対して、批判の声が大きくなっている。
そうした経緯から、一部の人々はBrowzarを「アドウェア」と呼ぶようになっているが、FreeserveおよびBrowzarの創立者であるAjaz Ahmed氏はこれに反論した。
Ahmed氏は米国時間9月4日、ZDNet UKに対し、「われわれの製品はアドウェアではない。BrowzarではOvertureを利用しているが、ユーザーはその結果表示法に不満を持っているのである。不満に対応するため、検索エンジンを変えることにした」と述べ、新たなエンジンに「Ask」を採用することを明らかにした。
だがBrowzarの問題は、Overtureの利用だけにはとどまらない。そもそもOvertureは、「Orange」や「Lycos」などのウェブサイトでも使われている。ブロガーのScott Hanselman氏は、Browzarはその主張とは裏腹に、ユーザーの閲覧行動の全痕跡を消去するものではなく、一部のページには、Browzarのベースである「Internet Explorer(IE)」のキャッシュを残していると書いている。
Ahmed氏がZDNet UKに話したところによると、同氏は「Hanselman氏と連絡を取り合っている」という。Browzarは「目下状況を調査中」で、「修復のためのアップデートをリリースする」予定を立てていると、Ahmed氏は述べた。
そのほかにもさまざまな矛盾が生じている。例えば、Browzarの起動ページから「Google Account」にログインすると、Browzarアプリケーションを閉じても、IEからGoogleを閲覧した場合はログインしたままの状態が続いてしまう。「本製品はまだベータ版だ。多くの人から意見を聞き、適切な変更を施していければ、それに勝る喜びはない」と、Ahmed氏は強調した。
同氏は、Browzarは実際には単なるIEシェルアプリケーションで、自分でブラウザだと言い張っているだけという批判にも反撃を試みた。Browzarのウェブサイトは、同アプリケーションをブラウザと呼ぶことを原則的に避けているが、FAQコーナーの一部でこれがブラウザであるかのような表現がなされている。「BrowzarがIEシェルであることを隠してきたつもりはない。事実関係をもっと明確にする必要があるならば、そうした変更を行うのもやぶさかではない」(Ahmed氏)
無料でダウンロードでき、同社のウェブサイトから実行することも可能なBrowzarは、キャッシュ保存機能およびデータのオートコンプリート機能を無効化し、匿名性の高いブラウジングエクスペリエンスを提供するものとして喧伝されていた。
Ahmed氏は、先週の発表後に各方面が見せた反響は「圧倒的」であったと話し、その性能に満足したというユーザーから、何千通という激励の電子メールをもらっていると述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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