連邦裁判所はルイジアナ州に対し、暴力シーンを含んだビデオゲームを未成年者に販売することを禁じる新しい法律の施行を一時的に差し止める判決を下した。
ルイジアナ州バートンルージュのJames Brady地裁判事は米国時間8月24日、Kathleen Blanco州知事(民主党)が6月に署名した法案に対し、仮差し止め命令を出した。この法案では、「成人社会における一般基準に照らし合わせて、明らかに攻撃的で、未成年者に不適切な暴力シーンが含まれる」ビデオゲームを未成年者に販売した者は、100ドルから2000ドルの罰金および1年以下の懲役を科すとしている。
ビデオゲーム業界には、「(同法案が)米憲法修正第一条に違反している」と主張し、証明するだけの十分な可能性がある、とBrady判事は28ページに及ぶ差し止め命令の中で記述している。
ビデオゲーム業界に対する「米憲法修正第一条に違反しているといえる」とBrady判事は28ページに及ぶ差し止め命令の中で記述している。違反の根拠としては、業界による自主的なレーティングシステムやペアレンタルコントロールなどといった、よりゆるやかな代替案の存在を挙げている。
ビデオゲームの業界団体であるEntertainment Software Association(ESA)およびEntertainment Merchants Association(EMA)は、法律が施行された翌日、法案は憲法に定められた表現の自由を侵害するもので、また内容があいまい過ぎるとしてルイジアナ州を提訴した。同州は子供たちを「物理的、心理的、および経済的危害」(PDFファイル)から保護する義務があり、また、このような法は言論ではなく行為を規制するもので憲法には違反しないとしてこれに反論していた。
州の主張は「ビデオゲームも言論の自由の保護下にあるということを認めたこれまでの判例を見落としている」とBrady判事は記述しており、「暴力的な描写があっても、憲法によってその権利は完全に保護される」と後に付け加えている。
Brady判事は、同法が、例えば「暴力」などの「重要な用語」の説明に欠けており、非常にあいまいであるという点についてビデオゲーム業界の主張に同意している。同判事はまた、州は暴力シーンを含んだビデオゲームが子供の健全な育成を妨げるとする「信頼性のある」証拠を提出できずにおり、将来的にも説得力のある証拠を提示できるとは思えないと述べた。
ESA代表Douglas Lowenstein氏は、今回の判決を称賛し、「カトリーナによる被害の対策に追われる今、ビデオゲームへの無意味な攻撃などに税金を無駄使いしている州議会や州知事に対し、有権者は怒りをぶつけるべきである」と声明で述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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