SanDiskがSansaシリーズの新しいMP3プレーヤーをリリースし、プレーヤーの価格も全面的に引き下げてきた。Apple Computerのフラッシュメモリベースプレーヤー「iPod nano」との競合を視野に入れている。
SanDiskは米国時間8月21日、「Sansa e280」をリリースした。同デジタル音楽プレーヤーは容量が8Gバイトとなっているが、SanDiskの2GバイトMicroSDカードを使うことで10Gバイトまでのデータに対応する。価格は249ドル。
容量あたり単価を見ると、Appleの4Gバイト版iPod nanoとは大きな開きがある。Appleのオンラインストアでは、iPodの同モデルも249ドルとなっている(現在、iPodには8Gバイトモデルも10Gバイトモデルもない。Appleのプレーヤーでその上の容量だと、フラッシュメモリではなくハードディスクを搭載した30Gバイト版iPodとなり、こちらの価格は299ドルとなる)。
Sansaプレーヤーは、MicroSDカードを使うことで、記憶容量を拡大したり、デバイス上に保持する曲を入れ替えたりすることもできる。SanDiskは世界有数のフラッシュメモリメーカーだ。SanDiskによると、同社の拡張カードは今のところ約500曲を保持できるが、より大容量のカードも計画中だという。
SansaシリーズはMicrosoft PlaysForSureとRhapsody To Goをサポートするが、同デバイスのデジタル著作権管理システムは独自のものではなく、MP3とWMAの両フォーマットなら、どのような曲でもデバイスにアップロードできる。
SanDiskのMP3プレーヤーにはほかにも、録音にも対応したデジタルFMチューナーと、同デバイスをボイスレコーダ代わりにできる内蔵マイクが搭載されている。
しかし、Forrester Researchのバイスプレジデント兼主任アナリストTed Schadler氏によると、Sansaの成功は、iPodと機能面で対抗できるかどうかではなく、SanDiskの会社としての長所次第だという。
「(SanDiskは)どこよりも安くメモリを確保でき、各所でSDカードを販売しているため、素晴らしい流通チャネルを持っている。彼らはメモリカードで既に小売市場に大きな影響力を持っているため、これらの製品も同じ小売業者に流し、そこで販売スペースを確保すればよい。これは非常に大きな利点だ。差別化につながる重要な要素は3つある。価格、製品の品質(これは徐々に良くなりつつある)、そして影響力の範囲だ。SanDiskでは今、これら3つがすべてそろいつつある」とSchadler氏は語っている。
Schadler氏によると、iPodのまわりには強力なエコシステムができあがっているため、MP3市場でAppleが持つ膨大なシェアを一夜にして奪えるような新製品は出てこないという。市場が成熟すればいろいろと変化も起きてくるだろうが、楽な戦いにはならないだろう。ミュージックストアは一部メーカーに集約されていき、いずれは「一騎打ち」の様相を呈してくるだろう。SanDiskはそのうちの1社になれる素晴らしい位置にいるが、今回の発表はMP3プレーヤー市場の分岐点を示すものではなく、会社としてのSanDiskの「飽くなき野望」を示すものだ、とSchadler氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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