USENには、GyaOの他に楽天との合弁で「ShowTime」というビデオオンデマンド(VOD)の有料配信をしている。加茂氏は無料配信であるGyaOでは、番組がテレビ放送された直後に放映し、1週間後にShowTimeで1話を単位として販売していると説明した。
これに対し、商品となる有料が先と思っていた真田氏は、無料配信で先に放映することを指摘し、その理由を求めた。
無料のGyaOでの期間限定に対し、有料のShowTimeでは、アーカイブで好きなときにいつでも観られるということで差別化を図っているが、加茂氏は統計をとると放送サービス、コンテンツサービスの半分以上が無料であるとし、無料配信の市場の方が絶対的に大きくなると確信している。USENでは、ShowTimeよりもGyaOを重要視してプライオリティーも高くしているのだと明かした。
一方のヤフーでは、無料コンテンツを一部有料にしており、真田氏はヤフーが有料と無料についてどのような考えがあるのか意見を求めた。松本氏は「コンテンツ調達の際に、コンテンツホルダーの意向を反映した結果である」とした。
また、真田氏からの「Yahoo!ショッピングをPCとモバイルで比較して違いはあるか」という質問に対し、ショッピングサイトのPCとモバイルの違いについて説明しながら以下のように答えた。
「PCでは比較サイトで商品を探すなど、複数のサイトを立ち上げることが可能だが、モバイルではサイト完結型にしなければならない。PCのようにボタンを押せばショッピングが立ち上がるというのは、モバイルでは非常に行き来が難しい。PC以上に親和性を考えてサービスをつなげていく必要がある。これは検索や比較サービスが普及しているPCとは少し違う、モバイルならではの特徴だと思う」(松本氏)
セッションの最後の話題として、CGM(Consumer Generated Media)に対する取り組み方について語られた。マルチメディアコンテンツ、デジタルコンテンツの中で、最近ではCGMが非常に伸びてきている。今後、YouTubeのようなものをコンテンツとして取り入れていけるかという点について、松本氏と加茂氏はともに、CGMという文化の重要性に理解を示しながらも現状ではまだ困難だと語った。
「SNSやブログなどのクローズな場で自分のコンテンツを発表していくのは構わない。しかし、たとえばGyaO提供で無料コンテンツに『CGMもたくさんあるよ』というのは、著作権の問題をクリアしない限り難しいのではないか」(松本氏)
加茂氏も松本氏の意見に同意を示し、著作系の問題以前に放送倫理の問題があると指摘した。
「嘘かもしれないことを、そのまま流してしまう、また、観る人を不快にさせるものをそのまま流してしまうという危険性を持っている。この部分をコントロールすることが今後の課題だろう」(加茂氏)
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