インターネットサービスプロバイダ「So-net」を運営するソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)は、ブログやウェブサイトにHTMLタグを貼ればショッピングカートを設置できるサービス「Blog Cart(仮称)」を2006年10月に提供開始する。
Blog Cartはブログやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)上の日記、自分のウェブサイトなどにタグを貼るだけでショッピングカートを設置できるサービスだ。ユーザーは自分が販売したい商品の画像をBlog Cartにアップロードし、生成されたHTMLタグを貼り付けることでショッピングカートを設置できる。So-net接続会員のIDまたは無料会員の「こんてんつコース」のIDを持っていれば利用できる。
このサービスではSo-netが出品者と購入者に注文の確認を行うが、実際の代金の受け渡しにはエスクローサービス(第3者の専門業者が取引を仲介するサービス)を利用する。提携エスクロー会社は現在選定中だが、複数社と組む予定だ。SCNは売買の成約手数料金とシステム利用料金を出品者から徴収して利益を得る。ショッピングカート自体はほとんどのブログサービスで利用できるが、ブログサービスによっては商用利用の制限などもあることから、今後ブログサービスプロバイダ各社と提携を結んでいくという。
SCN ポータル事業部門 編成部 編成1課の千輝(ちぎら)仁氏は「So-netはWeb 2.0戦略として『コミュニケーションプラットフォームの創出・活性化』をテーマに掲げてサービスを強化してきた」と説明する。SCNではこれまでにSo-netのポータルとブログサービス「So-net blog」の連携を強化し、「So-net SNS」の提供を開始した。今後は活性しつつあるそのプラットフォーム上で、課金可能なコンテンツを用意し収益に結びつける考えだ。Blog Cartはその最初のステップになる。
個人がECで商品を販売する際、ECモールを利用すれば、手順が複雑であったり、サービス利用料として高いコストを覚悟したりする必要がある。かといってオークションを利用した場合、決められたフォーマットの中でしか商品を販売できないない。しかし、Blog Cartを利用すれば、ブログ上で商品を販売できるため、サービス構築のコストも低く、購入者ともブログ上でコミュニケーションを取ることができるという。また、RSSによる新商品のアナウンスも可能になるほか、検索エンジンからのユーザー流入も見込める。
また、ポータル事業部門 第1制作部 ショッピング事業課 マネージャーの田中政明氏は「ECサイトを運営しているユーザーも『店長ブログ』という形でブログを書いていることが多い。Blog Cartを利用すればそのブログ上でも商品を販売できる」と、既存ECサイトの販売チャネル強化にも利用できると説明する。
SCNではBlog Cartの利用者をアマチュアクリエイターや自営業者、自分の不要品を売りたいフリーマーケット出店者などと想定する。千輝氏は「まずはブログを書いているクリエイターに利用してもらいたい。ただ、そこだけでは利用者は限られるので、ハンドクラフト系のイベント団体などを中心に、広くアライアンスを組んでいく」と語った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」