サンフランシスコ発--Apple Computerの最高経営責任者(CEO)Steve Jobsが米国時間8月7日午前10時より、Worldwide Developer's Conferenceで基調講演を行った。ここではその講演状況を時間軸に沿ってお届けする。
Jobsがいつものカジュアルなスタイルでステージに現れ、参加者から大喝采を受ける。
「今年のWWDCは、4200人の人々が登録する、これまでで最大規模のものになった」と同氏は述べる。また同氏によれば、世界には75万人もの登録済みの開発者らがいるという。
Jobs氏が米国小売市場におけるマーケットシェア、さらには、AppleにおけるIntelプロセッサへの移行がスムーズに進んでいることについて述べる。「(こんなに順調に物事が運んでいるが)1つだけ例外がある。Power Macが歴史の中に消えてゆくことだ」と同氏は述べる。
Appleでワールドワイドプロダクトマーケティングのシニアバイスプレジデントを務めるPhil Schiller氏が壇上に上り、「Mac Pro」を紹介する。Intelのデュアルコア「Xeon 5100」プロセッサ(開発コード名「Woodcrest」)を搭載する。
Schiller氏は新しいMac Proを「Dell PowerEdge 1950」と比較し、Dell製品の方が圧倒的に価格が高いと皮肉った。
Schiller氏は、Intelプロセッサへの移行について「われわれの移行は今日完了した。これにかかった期間はたった210日間だ」と述べる。
Schiller氏が「Xserve G5」の最大5倍のパフォーマンスを実現した新Xserveを披露。これは、最大3.0GHzのデュアルコアIntel Xeonプロセッサを搭載した64ビットのクアッドコアシステムだ。
Appleには現在1900万人ものOS Xユーザーがおり、直近のメジャーリリースだった「Tiger」(開発コード名)は、Appleにとって最も成功を収めたソフトウェアになっているとJobs氏が述べる。
現在、3000以上ものユニバーサルアプリケーションが出荷されているとJobsは述べる。「これは、われわれが5年間かけて取り組んできた成果だ。われわれのライバルはこの5年間に何をしていただろうか?」と述べる。
Jobs氏が「今日はLeopardのプレビュー版をお見せしよう・・・トップシークレットの機能についてはここではご紹介できないのだが、今回はLeopardの機能を10個ご紹介したい」と述べる。
AppleのPlatform Experience担当バイスプレジデントScott Forstall氏がLeopardの機能について説明し始める。
まず紹介されたのが64ビットアプリケーションのサポート。Carbon、Cocoaベースのすべてのアプリケーションが64ビットに対応するようになる。
次に紹介されたのがTime Machine。「通常よりファイルのバックアップを行っているユーザーは全体の25%。自動アップデートを実施するユーザーは全体の4%。この状況をLeopardのTime Machineで変えたい。Time Machineは、Macの自動バックアップをとる機能だ」とForstall氏が述べる。
Time Machineで保存されたファイルを使うときにはRestoreをクリックすることで、お目当てのファイルをメインスクリーンに映し出すことができるという。
iPhotoのデモは初回には正常に動作しなかった。その直後にこのデモは正常に動き、同機能を使って過去に保存した写真を探し出す様子が披露された。
Jobsが「本当にクールなソフトウェア」がベータ版の次のレベルに達したと述べる。このBoot Campは、WindowsとMac OSを稼働させるためのもの。
また次世代のメディアアプリケーションFront RowもLeopardに搭載される。Photo Boothも、内蔵カメラに組み合わせる形で新しいMacに搭載される。Photo Boothと連携するカメラの種類も拡大された。
Spacesは、グループごとにウィンドウを分けて、アプリケーションを表示する。
Forstall氏が「LeopardではSpotlightがさらに改善された」と述べる。新Spotlightではネットワーク上のほかのマシンをも検索することが可能になった。
またLeopardにはCore Animationも搭載される。「これを使うとアプリケーションのバリューを劇的に増大させることができる」とForstall氏は述べる。Time MachineはCore Animationを使って作られたという。
Jobs氏はLeopardでユニバーサルアクセスを実現しようとしていると述べ、点字対応機能が改善していると述べた。同氏はテキストを音声に変換する機能をTigerとLeopardで比較して見せた。
さらにLeopardの説明が続く。「電子メールの機能も強化された」とJobsは述べる。新しいステーショナリテンプレートや新機能のNoteとTo-Doを使ってメールを整理することができる。またユーザーは電子メールに写真を付けることも可能だ。HTMLで作成されるため、どのPCを利用する人でも同じように参照することができる。
Forstall氏がLeopardの機能の説明を続ける。同氏はLeopardでDashboardウィジェットをより良いものにしたいと述べ、ウィジェットをデザインしたり、開発したりするためのコードを公開すると述べた。JavaScriptのデバッガーも用意したと発表されたときは、参加者から拍手があがった。
Jobs氏がLeopardでは、iChatの機能も格段に向上していると言い、マルチログインやタブチャットなどの機能について述べた。Leopardに組み込まれたPhoto Boothのエフェクトを使ってビデオカンファレンスやiChat Theaterなどを楽しむこともできると述べる。
Jobs氏は「これらは、Leopardに搭載されるたくさんの機能のうちのほんの一部だ」と言った。
「Xcode 3」は午後に公開される。「本日、みんなの手元に配布する開発者向けプレビューを用意した」とJobsは述べ、Leopardは来春に発売されると述べた。これに対し、開発者らは少々がっかりした様子だった。
講演終了。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス