Diigo--ソーシャルブックマークの「スイスアーミーナイフ」登場

坂和敏(編集部)2006年08月04日 00時19分

 ふと気がつくとソーシャルブックマークサービス(SBS)の話題ばかり採り上げている気がしますが、今日もある同僚がOSの再インストールの際に「(ローカルに保存していた)ブックマークをとばしてしまった」といっていたので、ウェブブックマークの良さを伝えるためにも懲りずに新しいサービスを紹介します。

 今日採り上げる「Diigo」は一昨日(米国時間)に正式版が公開(一部には7月24日説もあり)になったソーシャルブックマーク。その名称は、「Digest of Internet Information, Groups and Other stuff(インターネット上にある情報やグループ、その他のもののダイジェスト)」の頭文字からとったものだそうです。

 「ソーシャルブックマークの"スイスアーミーナイフ"」(CNET AlphaブログのRafe Needleman)との例えもみられるように、このDiigoには実にさまざま機能が盛り込まれていますが、それらの機能の詳しい説明は、すでにベータ版の段階で「観測気球」さんがしっかりとまとめられているので、そちらをご覧いただければと思います。

 さて。多機能なDiigoの特徴を一言で表すとすれば、それは「Social Annotation」--つまりウェブページの一部に下線を引き、その部分にまるでポストイットに書いたメモを貼り付けるようにコメントを付けられ、しかもそれを他の人と共有できることでしょう。このコメント部分は、IEやForefox用に出ているプラグインを追加するだけで使えるようになります。具体的には、線を引きたい部分をカーソルで選択すると、自動的にDiigoのコンテキストメニューがポップアップします。このメニューの中には(選択部分を)「ブックマークして、ハイライトする」「ハイライトして、転送する」「ブログに引用する」といったものや、主立った検索エンジンやブログ検索(Technoratiなど)、リファレンスサイト等々で、当該部分を検索するといったものがあります(これらの機能の多くは専用のブラウザツールバーからも利用できるようになっています)。ただし、Diigoには、あまりにいろんな機能が盛り込まれすぎていて、すべてを一通り理解し使いこなせるまでに、ちょっと余計に時間がかかるかもしれません。

 シンプルなブックマークが機能しなくなり、その後はブックマーク経由よりも、ブラウザの検索窓からキーワードを叩き、Googleなどを経由して目的のページにゆく、といったやり方が普及したのは随分以前のことと思われます。が、ご承知のとおり、そういった古(いにしえ)の時代から、「このウェブページはなんでブックマークしたんだっけ?」と、後でブックマークした理由を思い出せなくなってしまう問題を防止する手段の1つとして、ウェブページ上に下線を引け、そこにコメントを付せたら・・・というコンセプト(あるいはそうしたものへのニーズ)はあったように思います。ポストイット=スティッキーズ的なアノテーション機能--実例はこんな感じです--がついに実現されただけでも、私にとってはたいそう感動モノですが、さらにそうした情報をほかの人と簡単に共有できるとなれば、これはまず使ってみない手はありません。そんな次第で、先日紹介した「BlueDot」と平行して、Diigoをしばらく使ってみようと思っています。ちなみに、Diigoにある、del.icio.usに登録済みのブックマークをインポートできる機能が、こういう時にとても便利です。また、Diigoにはdel.icio.usやYahoo Web2.0をはじめとする他のソーシャルブックマークサービスにも同時に登録できる機能もあり、ある意味で安心です。一方、Diigoにはブックマークやアノテーションの公開の選択肢が「パブリック」と「プライベート」の2種類しかありません。それに比べて、BlueDotでは「全員(一般)」「友達」「自分」の基本3種類のほかに、新たにグループを設定することもできるため、実際に仕事で使うには--たとえば「部・課」単位やプロジェクト単位、社外の知人、といったふうに使い分けられるため--こちらのほうがなにかと便利に思えます。

 ちなみに、TechCrunchのMarshall KirkpatrickはDiigoについて、「まさにウェブベースの、ナレッジワーカーの夢を叶えるものだ("This is a web based knowledge worker’s dream come true")」と大した持ち上げようですが、同時に多機能=複雑さにつながって、真価が伝わりにくいおそれもあります。はたして、このDiigoが大きくブレイクするかどうか、今後の展開が楽しみです。

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