Scott Draves氏はコンピュータの余剰処理能力を芸術のために利用している。
Draves氏は、今年で7年目のプロジェクト「Electric Sheep」を支えるアーチスト兼コンピュータプログラマーだ。Electric Sheepは、芸術と双方向性、そして分散コンピューティングを組み合わせたダウンロード可能な無料アプリケーション。地球外知的生命体探査のためにインターネット上のコンピュータを連携させるSETI@Homeプロジェクトに少し似ている。
しかし、Electric Sheep--この名称は、もちろん、Philip K. Dickと彼の小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(原題:Do Androids Dream of Electric Sheep?)」へのオマージュとなっている--の場合、ネットワーク化されたコンピュータの余剰処理能力は、参加者のPC画面に複雑なデザインのスクリーンセーバーを表示させるための高負荷演算に利用される。
「Electric Sheepの場合、人間のデザインチームが人工知能と協力して人工生物に命を与える」と、カーネギーメロン大学コンピュータサイエンスの博士号を持つDraves氏は言う。「デザインはそれを見ている人により決まる」(Draves氏)
オープンソースのスクリーンセーバーであるElectric Sheepは、ネットワーク化された3万台のコンピュータすべての画面に同じサイケデリックな画像を表示する。コンピュータが「スリープ状態」になるとスクリーンセーバーが表示され、コンピュータはインターネット経由で相互に連絡を取り合い、画像表示の仕事を協力して行う。
Draves氏が「羊」と呼んでいるデザインは常に進化する。ユーザーの反応に呼応して、新しく反復性の無い抽象的なデザインは変化し、5分から10分おきに新しいものに「生まれ変わる」。ユーザーは上下の矢印を使ってどのデザインが好きでどれが嫌いかを意思表示できる。すると同システムはユーザーの総合的な好みを取り入れて新しいデザインを創り上げる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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