シンビアンは7月12日、携帯機器向けOSの最新版となるSymbian OS version9.3を発表した。発表にあわせ、日本における市場の現状と戦略に関する説明会を開催した。
最新版となるversion9.3では、Wi-Fiのネイティブサポート、USB 2.0 On-the-Goをサポートした。version9.3搭載の携帯電話は2007年に発売する見込みだ。
シンビアン調査研究担当 取締役副社長のデビッド・ウッド氏は、version9.3の強化ポイントとして、「従来のバージョン9ファミリーと完全な互換性を保ち、セキュリティも強化されている。今後もセキュリティは重要トピックとして注意深く計画していく」と語った。
日本におけるSymbian OSを搭載した携帯電話の出荷台数は、1200万台近くに上っているという。2006年3月にはSymbian OSを搭載した100機種目となるノキア3250がリリースしたほか、7月7日には日本で35機種目のSymbian OS搭載モデルとなるNTTドコモのFOMA DOLCE SLの発表があった。
説明会には、デビッド・ウッド氏のほかに英国本社のCEO ナイジェル・クリフォード氏、日本法人の代表取締役社長の久 晴彦氏が出席した。
クリフォード氏によれば、日本市場はグローバルで見て最も急成長しているという。「私が電話業界に入った20年前、世界市場を知るには米国市場を見て世界市場で何が起きるかを判断していた。しかし、現在ではまず日本を注目していく必要がある。今後は日本がイノベーションの中心だと強く感じている」と、日本市場の重要性を強調した。
日本法人代表取締役社長である久氏は、日本はサービス面に対するリクエストが欧米と比較して高く、それらのリクエストに着実に対応してきたことが1000万台突破という結果を生んだと分析する。「より良いサービスを提供するには、シンビアン1社で行うのではなく、パートナー企業と連携しての開発が重要だ。技術面についても育成トレーニングを活発に行い、メーカー同士が同じ目標を持ってどんなことが必要かを一緒に考え、反映していくことが大切だ」と述べた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」