韓国IM市場で繰り広げられる通信事業者の熱き戦い - (page 2)

佐々木 朋美2006年07月08日 02時08分

 NATE ONではサイワールドに新たに文章が書き込まれた際にダイアログで知らせてくれたり、相手に見せる自分の表示アイコンをサイワールドで指定したアバターと同じものにできるといった連携機能を持っている。

 現在2位のMSNは、携帯電話キャリアのKTFとの提携で提供していた既存の30件無料SMS送信機能に加え、5月にはSKTと提携した100件のSMS送信機能で利用者数の増加を狙う。また次世代メッセンジャー「Windows Live Messenger」のサービスを正式に開始して利用率の向上を図る。

 こうした中、KTのグループ会社であるKTHが運営するポータルサイト「Paran」のメッセンジャーサービス「U2」は、衛星、有線、無線、インターネット網を全て持つKTという通信事業者がバックにあるという点で意味深い。

 KTHとKTが共同開発したU2は、固定電話回線を利用したU2-電話間の通話が可能なほか、オフライン仲間へのファイル転送など特化した機能を持つ。のみならず将来的にはIPTV上で利用するメッセンジャーとしての用途や、家庭内ロボットの制御などができるよう機能拡大が図られる。

 去る6月30日、KTとSKTがWiBroサービスを開始したのと同時に、メッセンジャーも単にSMSやMMSに対応するだけでなく、ITコンバージェンス時代を迎える段階にまで来た。そのため今後のメッセンジャー市場は通信事業者同士の対決構図をもたらす可能性が大きい。

 Mobile WiMAX規格として認定されているWiBro(携帯インターネット)は韓国で開発された通信規格で、時速60Km以上での移動中でも安定した通信環境を提供する。場所を問わずに質の高いネットワーク環境を実現するWiBroのような通信規格の商用化は、あらゆる機器がオンライン化し、一つの機器で様々な機能を享受できるようになる「ITコンバージェンス時代」の到来を予想させる。となればそのインフラを提供する側であるKTとSKTの市場争いはおのずと激しくなる。

 韓国は政府ぐるみでユビキタス社会の構築を目指しており、それを実現するためのキーワードの一つが「コンバージェンス(統合・融合)」であるとして、これに必要なインフラやツールを数年前から開発・構築してきた。

 WiBroのようなインフラやU2などのメッセンジャーもその一環であるように、KTやSKTなどの通信事業者は、場所に縛られずオンラインで多様なサービスを提供するため、インフラだけでなくソフトウェアや端末、サービスまで積極的に開発に参与している。

 NATE ONやU2のような機能は、次世代のサービス展開や収益源を模索した通信事業者が仕掛けたものであり、今後メッセンジャーは通信事業者の動きと共に進化していくだろう。

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