Red Hatは、オープンソースソフトウェア企業であるJBossの買収完了から数週間にして、JBossのソフトウェアに関連する特許訴訟に見舞われた。
テキサス州の連邦地方裁判所に今週提出された訴状によると、原告のFireStar Softwareは、JBossのHibernate 3.0が同社の「オブジェクト指向ソフトウェアを用いた、リレーショナルデータベースのリンクに関する特許」を侵害していると主張しているという。JBoss Enterprise Middleware System(JEMS)の一部を成すHibernateはJava用のオブジェクトリレーショナルマッピング(O/Rマッピング)のツールで、オープンソースライセンスが適用されている。
マサチューセッツ州に本拠を置くFireStarは、陪審裁判で、被告のJBoss、Red Hat、およびRed Hatの完全子会社であるDaVinci-Matterhornに対し、3倍額損害賠償と侵害行為の停止を求めている。
Red Hatの代表者は「訴えについては認識しており、解決に向けて法的な措置を講じている」とコメントした。
Red HatはLinuxのディストリビュータで、2006年4月にJBossを3億5000万ドルで買収すると発表し、米国時間6月5日に手続きを終えたところだった。訴状によると、FireStarは買収成立前の5月26日、JBossに警告書を送っており、6月7日にはRed Hatに対しても警告書を送付したという。
FireStarがRed Hatのみを追求することを疑問視するアナリストも多い。申請によると、特許(6,101,502番)は「リレーショナルデータベースを扱うオブジェクト指向ソフトウェアアプリケーションのインターフェースにおいて、リレーショナルデータベースへのアクセスを容易にする手法」に関するものであるという。この特許によって、Red Hatと同様に訴訟対象となる企業は、他にいくらでもあるというのがアナリストの意見だ。
Burton GroupのリサーチディレクターAnne Thomas Manes氏は「なぜOracleを訴えないのか?Oracleの方がRed Hatよりも資産が多い。Sun(Microsystems)は?SunのJava Persistence APIはHibernateと同じものではないが、非常によく似ている」という。
FireStarおよび担当弁護士からは、コメントが得られなかった。
コンサルタント会社Optarosでオープンソース開発戦略担当バイスプレジデントを務めるStephen Walli氏は、FireStarとの訴訟について他の企業が正式にRed Hatと協力しなかったとしても、水面下で法的支援をすることはあり得ると述べた。
Walli氏によれば「Red Hat、IBM、Oracle、Sunを相手にオープンソースに関する問題を扱うとき、どれか1社だけを相手にするというのはほぼ不可能だ」という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」