消防署と警察が活用するWi-Fiネットワーク--アリゾナ州テンピ市の事例

文:Amanda Termen(CNET News.com) 翻訳校正:矢倉美登里、高森郁哉2006年06月30日 19時45分

 アリゾナ州テンピ--危険物の専門家であるAl Jensen氏が業務に使うワゴン車は、車輪が付いた潜水艦のような外観だ。

 これはテンピ市の消防司令車で、屋根の上には伸縮可能なルーフマストを装備している。マストの先には、事故現場や火災現場を監視する大型ビデオカメラが設置されている。

 これは、テンピ市が民間業者に対して市内でのWi-Fiネットワーク構築を許可する見返りに得たもの--無料のアクセス--の活用例だ。どうやらテンピ市の緊急対応部署は、Wi-Fi接続を有効利用できるだけの創造力を持ち合わせているらしい。同市のWi-Fiネットワークについて、取材を受けたテンピ市民たちは相反する思いを抱いているようだが、市の警察および消防署は業務への活用を進めている。

 Jensen氏の車で撮影された画像は、市の無線ネットワークを通じて緊急作戦センターに送られ、ここで重要な決定が下される。「私の(仕事)では、非常に迅速な判断が必要な場合がある。このネットワークにより、そうした迅速な判断が可能になる」とJensen氏は語る。

 市民に危険を及ぼすおそれがある化学薬品漏れや不審物が見つかると、危険物の専門家としてJensen氏が呼ばれる。本当に危険かどうかを調べるため、Jensen氏は対象物を顕微鏡で調べる。画像をさらに調べなければいけない場合も多い。無線ネットワークと電子メールを使えば、ほんの数秒で画像を研究所に送信できる。

 「その物質が何か、化学薬品の有害成分は何かを調べて、問題が大きくなる前に処理できる」とJensen氏は説明する。

 Jensen氏はまた、地元の工場の見取り図や使用化学物質一覧表など、役に立つ情報をインターネットで収集し、セキュリティ保護されたウェブサイト上でこうした情報を常に最新の内容に保つことが可能だ。

 テンピ市警では、全警官がノートPCを携行している。近い将来、すべてのノートPCが無線接続に対応し、屋外にいてもインターネット経由で犯罪者の顔写真や地図を入手できるようになる予定だ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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