億万長者の起業家として有名なMark Cuban氏が、企業の不正行為の暴露に焦点をあてた報道サイトに投資した。
St. Louis Post-Dispatch紙のベテラン記者であるChris Carey氏が発案した「Sharesleuth.com」サイトは、7月より運営が開始される見込みである。
Carey氏は米国時間6月14日、CNET News.comによる電子メールでの問い合わせに「(Sharesleuth.comは)株式の不正取引や企業の違法行為を暴くことを専門とするブログ形式のニュースサイトだ。疑わしい企業を特定し、その背後にいる人々について、綿密な調査を踏まえたうえで説得力のある記事を掲載する」と回答した。Carey氏は、Sharesleuth.comの編集者兼プレジデントを務める予定である。
実は、このサイトにはもう1つ目的としていることがあるようだ。
Cuban氏は、Associated Pressの記者に対し、調査員がサイト用に集めた情報を活用し、関連する記事を発行する前に株式の売買をするつもりだと伝えている。この発言には報道倫理の観点から眉をひそめる者もいる。多くの出版物が、それらが取り扱う業界への投資については厳格な方針を採用しているためである。Cuban氏は、放送ジャーナリストが時の権力に立ち向かう様子を描いた映画「グッドナイト&グッドラック」では、エグゼキュティブプロデューサーを務めている。
しかしCuban氏は決して昔流のルールに従うことはなく、違う見方をしている。
このことと、CNBCやFOX News、Bloombergなどのコメンテーターの多くがしていることと、何が違うというのか?彼らは株式を買ったり空売りした後で定期的にメディアに登場し、そうした理由を語っている」とCuban氏はCNET News.comに対し電子メールのなかで述べている。
「賢い投資家とは、自ら調査し、売るか買うかの判断を下す人のことではないか?われわれの場合、その判断の理由を公開するという点が違うだけだ」とCuban氏は述べている。
Carey氏はCuban氏と同意見を述べたうえで、どのようなシステムになっているかについて、さらなる詳細を語った。
「利害の衝突を避けるため、私は個別の銘柄には一切投資したことがなく、Sharesleuth.comを運営している間もそのつもりもない」と同氏は言う。「Mark Cubanと私との間では、彼がウェブサイトで報じた情報を使って取引をしても良い約束になっている。しかし、なかにはそのような可能性すら提供しない記事も含まれている」(Carey氏)
このシステムの仕組みについてはまだ全ての詳細が定められていないが、そのような取引は全て、合法なものであり、全面的に開示される予定であると、Carey氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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