米下院の小委員会は米国時間6月8日、新たなデジタル著作権法案を承認した。だが、この法案が成立すれば、「TiVo」のようなビデオ録画機器や音楽録音機器を使った個人利用のための複製も違法になる可能性があるとして、批判する声も挙がっている。
Lamar Smith下院議員(テキサス州選出・共和党)が提出した「第115項改正法」(Section 115 Reform Act:SIRA)は、著作権法の一部を手直ししようと試みるものだ。著作権法により、レコード会社、演奏者、ソングライター、音楽出版社が、音楽の複製および配布の権利と引き替えに「著作権使用料」を受け取る複雑なシステムが確立した。
政治家、米著作権局、音楽業界の間には、自動演奏ピアノの時代に初めて成立した著作権法は、デジタル時代に合わせた改正が必要だ、との共通認識がある。現在、楽曲の販売を希望する企業は、各曲の録音ごとに個別のライセンス契約を交渉しなければならない。
SIRAは、こうした方式にかえて「包括的ライセンシング」システムを確立し、ライセンス契約の申請からライセンス供与までを一元的に扱う団体の設立を提案している。この団体は著作権局によって設立され、市場シェアの大部分を押さえる大手音楽出版会社の代理として行動する。
法案の支持者の主張によれば、こうしたアプローチによって、オンライン音楽サービスは膨大な数の楽曲の使用許可にかかる時間を短縮でき、市場への新規参入、選択肢の拡大、低価格化といった可能性も広がるという。
法案の共同提出者であるHoward Berman議員(カリフォルニア州選出・民主党)は、「われわれは今後、合法的サービスに対しては競争のためのツールを与えることができ、非合法の音楽サービスを閉鎖に追い込むことも可能になるだろう」
全米レコード協会(RIAA)、米デジタルメディア協会(DMA)、全米音楽出版社協会(NMPA)は、合同記者会見の中で、この法案からは「得るものが多い」としながら、法案の「すべての側面について完全な合意」には至っていない、と述べた。CNET News.comの取材を受けたRIAAの関係者は、懸念している事柄について詳述することを避けた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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