FBI捜査官に、著作物のオンライン交換を含む著作権侵害行為に対する捜査/起訴を認める法案が、19日に米議会へ提出された。
「HR-2517, the Piracy Deterrence and Education Act of 2003」と名付けられたこの法案が立法化された場合、FBIは著作物のオンライン交換防止策の策定、著作権保有者が著作権違反の疑いのある者に対して送付するためのFBI印付きの警告文書の作成、さらに捜査当局、著作権保有者、インターネット接続事業者(ISP)との間で著作権違反疑惑についての情報を共有する体制の強化を図ることになる。
この法案には、知的所有権や著作権問題で有名なLamar Smith(共和党:テキサス州選出)とHoward Berman(民主党:カリフォルニア州選出)の2人の下院議員の名前が記されている。Bermanは昨年、著作権保有者に著作物の違法配布を行っている疑いのあるピア・ツー・ピア(PtoP)ネットワークへの攻撃を認める法案で一躍脚光を浴びた。
非営利市民グループElectronic Frontier Foundation(EFF)のある弁護士はこの法案について、犯罪行為の公式な起訴か著作権法の民事上の規定施行なのかが曖昧であるなど、数多くの問題があると指摘している。
「この法案には、FBIを知的財産権の民間の施行に、より深く介入させるための多くの内容が盛り込まれている」とEFFの弁護士Wendy Seltzerは語る。「これでは多くのユーザーが政府に狙われているとの恐怖感を覚えるだろう」(Seltzer)。
Seltzer によると、ISPに警察や著作権保有者への協力を義務付ける規定は、プライバシー保護の観点から特に問題という。「(警察や著作権保有者は)恐らくこの規定を根拠に、ISPに対し『あなた方もRIAA(全米レコード工業会)から要請があればいつでも同団体にユーザーについての情報を開示する必要がある』と通告するだろう」とSeltzerは指摘する。
RIAAと米国映画協会(MPAA)はこの法案を称賛する声明を発表した。RIAA代表のCary Shermanは声明の中で「Smith-Berman法案により、FBIをはじめとする捜査当局の権限が強化され、PtoPネットワーク上で横行する著作権侵害行為対策は今後さらに進むだろう」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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