ディー・ディー・エス(DDS、三吉野健滋社長)は6月5日、東京大学先端科 学技術センター(RCAST、安田浩教授)とソルコム(坂田雅夫社長)と共同で、 「匿名による電子商取引を行うための認証アルゴリズム」を開発したと発表し た。
携帯端末を利用した電子商取引において、個人情報を開示することなく、商 品の購入、代金の支払い、商品の販売、代金の受領といった一連の取り引きが 安全・確実に行えるようにする技術。具体的には、決済機関が暗号化された商 品購入鍵を発行し、携帯端末が商品購入鍵を乱数化して匿名化。認証局がユー ザーの携帯端末が正当であることを保証すると、ユーザーは、匿名化された商 品購入鍵を商店に渡して購入を申し込む。商店は、匿名化された商品購入鍵を 検証してユーザーに商品を販売、決済会社経由で商品代金を受領する。
従来の電子商取引では、ユーザーは個人情報を商店に渡さなければならず、 また商店も、顧客から預かった個人情報を紛失・流失するリスクがあった。し かし、今回の匿名認証技術を利用することで、個人情報の受け渡しを一切行う ことなく、安全な決済を実現できる。
この匿名認証技術は、DDSなど三者共同で経済産業省から受託し、05年12月 から研究を進めてきた「新世代情報セキュリティ研究開発事業」の一環として 開発したもの。三者は今後、「暗号通信プロトコルの実装」「各構成機器のア プリケーション開発」「アクセス制御基盤の実装」を分担し、実証システムに おいて匿名性、安全性を実証していく。
またDDSでは、この研究成果を応用し、バイオメトリクスと並行してセキュ リティビジネスの展開を推進する予定。06年度中に匿名認証技術の要素技術を 確立し、来期以降の同社の各種製品開発に活用したい考え。
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