インターネット検索や電子商取引をとりまく市場環境が競争の激化により厳しく変化するなか、YahooとeBayが提携を発表した。
両社は米国時間5月25日、広告、電子商取引、検索サービスに関連した複数年契約を締結すると発表した。Yahooの関係者によると、同社はこの契約に基づき、eBayに掲載されるすべてのグラフィック広告を独占的に提供し、一部の検索結果ページにはテキスト広告も配信するという。
契約の金銭的な条件は明らかにされていない。両社によると、今回の提携は2006年の決算には反映されないという。また2007年以降の業績への影響は、両社が当該時期の展望を示す段階で詳細に説明するという。
Yahooは、eBayのPayPalサービスを唯一のオンライン決済サービスとして取り入れる。その結果、Yahooの顧客は銀行口座、クレジットカード、PayPalアカウントのいずれかを利用して、Yahooのサービス料を支払えるようになる。またPayPalは「Yahoo Publisher Network」「Yahoo Search Marketing」「Yahoo Merchant Solutions」をはじめとする、オンライン販売業者やパブリッシャー向けの製品にも組み込まれる予定だ。
両社はまた、VoIPサービスを共同開発することも視野に入れている。このプロジェクトでは、双方のウェブサイトにclick-to-call機能を持つ広告を配信し、「Yahoo Messenger with Voice」とeBayの「Skype」の利用を促進することを検討する予定だ。
また、eBayのツールバーを共通ブランド化し、Yahooの検索機能やサイトへのリンクを組み込むと両社は述べる。
両社は2006年末までには数カ月間の試用期間を設けて新製品を順次公開していき、2007年には正式版を投入したい考えだ。
Yahooの最高経営責任者(CEO)Terry Semel氏は声明で、「eBayとの提携により、われわれはスポンサー付き検索やグラフィック広告の提供範囲をさらに拡大し、ウェブ上で有数の規模と勢いを誇るコミュニティにリーチすることができるのである」と述べた。
YahooとeBayは、MicrosoftやGoogleなどの影響による競争の激化を経験している。例えば2005年に投入されたGoogle Baseでは、賃貸物件情報から料理のレシピまで、あらゆる情報の発信と検索が可能になっている。
今週に入り、ウォールスストリートのアナリストらは、両社の提携について、理に叶った組み合わせなのではないかと憶測していた。双方のリソースを共有できるようにすれば、検索や広告などのサービスや顧客基盤をを有利に活用していけると、アナリストらは述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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