スカイプへの訴訟が飛び火--ファイル交換ソフト「Morpheus」開発元、イーベイを提訴

文:Greg Sandoval(CNET News.com) 翻訳校正:河部恭紀(編集部)2006年05月24日 16時18分

 ファイル交換ソフトウェア「Morpheus」の開発元であるStreamCast Networksは、オンラインオークション大手のeBayが、法的にはStreamCastに帰属するPtoP技術を使って利益を上げているとして、同社を提訴した。

 StreamCastは米国時間5月22日、ロサンゼルスのカリフォルニア州中部地区連邦地方裁判所に提出した訴状の中で、KazaaおよびSkypeの両社で使われている技術を開発したNiklas Zennstrom氏とJanus Friis氏が、FastTrackプロトコルの優先購入権をStreamCastに与えるとした契約に違反したと主張している。

 FastTrackは、Morpheusのファイル交換アプリケーションがかつて運用されていたネットワークで、SkypeのVoIPサービスの技術基盤でもある。

 StreamCastが22日に提出した訴状は、同社が1月に提出した訴状を修正したものだ。同社は今回の修正で、当初被告として挙げていた企業21社に、eBayを新たに追加した。さらにeBayが2005年10月に買収したSkypeに対し、VoIP製品の販売中止を命じるよう裁判所に求めている。またStreamCastは、40億ドル以上の損害賠償も要求している。

 eBayの広報担当者は、この訴訟についてのコメントを控えている。

 StreamCastの顧問弁護士を務めるMatthew Neco氏によると、同社は、Zennstrom氏とFriis氏が不正な手段で利益をあげたとして両氏を提訴するとともに、訴状に新たな主張を追加し、eBay以外の被告全員を独占禁止法違反で改めて提訴したという。

 FastTrackネットワークは、かつて、Morpheusのファイル交換アプリをサポートしていた。しかし、両社の間でライセンシングをめぐるトラブルが生じたのをきっかけに2002年2月26日に突然取引が打ち切られ、MorpheusのユーザーはFastTrackのネットワークから締め出された。Morpheusは過去に、インターネット上でMP3ファイルを交換する手段として最も高い人気を集めていた。

 トラブルが生じるまでは、両社は緊密な取引関係にあった、とStreamCastの最高経営責任者(CEO)であるMichael Weiss氏は語る。

 Weiss氏によると、StreamCastはFastTrackを開発する上で大きな役割を果たし、FastTrackの取得権を確保するための保証金も支払ったという。しかし、StreamCastの訴状によると、その後Zennstrom氏は同社との契約に反する計画を密かに立て、FastTrackを架空の会社に売却したという。

 Weiss氏は、CNET News.comによるインタビューの中で、「Skypeが技術的基礎としていたFastTrackは、(2社の)協力により開発された」と述べ、さらに「(契約が守られていれば)われわれは間違いなく適正な市場価格を彼らに支払っていただろうし、同技術の購入を希望する他社の提示金額と同等かそれ以上の金額を提示していただろう」と語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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