ポルノサイト向けとして提案されていた「.xxx」ドメインを支持するICM Registry(本社:フロリダ)が再び承認の獲得を目指すようだ。
ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)は5月、ブッシュ政権を含む数カ国の政府が強く異議を唱えたことを受け、仮想赤線地区を設ける提案を9対5で否決した。
しかし、ICM Registryは米国時間5月19日、ICANNに対して再考を促す構えを示した。
ICM Registryはさらに、情報の自由法(FOIA)で開示を受けた88ページにおよぶ資料(PDFファイル)も公表した。これは、.xxxを巡るブッシュ政権内の2005年夏の議論がいかに政治色の強いものだったかを示している。
米国の保守系団体が、ドメインの採用阻止を米国商務省に訴えるよう支持者らに呼びかけたことは周知の事実だが、FOIAの開示資料は、2005年夏に実施されたロビー活動がいかに積極的なものだったかを明らかにしている。
下院で最も保守色の強いChip Pickering下院議員(共和党、ミシシッピ州選出)の補佐官Mike Hurst氏は、ICANNの決定を批准しないよう商務省に圧力をかけ、その結果を保守系のキリスト教ロビー活動団体に報告している。
Pickering下院議員は、商務省事務局長Jim Wasilewski氏に対し、「連邦議会では、与えられた選択肢を検討中」だという内容の書簡を送った。これは「.xxx」を阻止する法案の提出を意味していた。
Hurst氏はその後、American Family AssociationやFamily Research Councilといったキリスト教団体に2005年6月16日付けで電子メールを送り、「今日、商務省担当者と会った。われわれのリソースを余さずICANNに投入することも考えられる」と述べている。
また別のメッセージからは、Family Research CouncilのPat Trueman氏とJan LaRue氏が、6月21日に商務省の次官補代理John Kneuer氏と会ったことが分かる。
その数週間後には、ICANNの8年の歴史で前代未聞の動きがあった。ブッシュ政権が2005年8月に書簡を送付して「.xxx」の手続きに干渉してきたのだ。書簡は、「商務省が、アダルトコンテンツが家庭や子どもに与える影響を懸念する個人からおよそ6000通の書簡と電子メールを受け取った」というものだった。ICANNは6月、「.xxx」ドメインを承認しており、ICM Registryによる同ドメインの運営の承認は、2005年の晩夏にも行われるはずだった。
商務省関係者は保守系団体からの抗議を強く懸念したようだった。たとえば、Family Research Councilは、「.xxxドメインが存在すると、アダルトコンテンツ制作者が、家庭や図書館、社会にアダルトコンテンツを大量に送りつけるチャンスが一段と拡大する」とウェブサイトで警告した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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