子供の行動の追跡や、週末のデートの相手探しなど、あらゆる使い方が可能なワイヤレス製品は、連邦プライバシー法の適用範囲外と思われ、改善の必要があると、ある業界団体が訴えている。
立法補佐官への情報提供を目的とするCongressional Internet Caucus Advisory Committeeが米国時間5月16日に開催した公開討論会で、ある無線業界関係者が、カーナビなど、地理的位置特定技術を使用する多くの製品は、従来の携帯電話会社に適用されているルールに従うものとみなされていないことを懸念している、と語った。
無線通信事業者、無線サービスのサプライヤーおよびプロバイダーの国際的業界団体Cellular Telecommunications & Internet Association(CTIA)の顧問弁護士を務めるMichael Altschul氏は、「2007年には、米国の全ての無線事業者が、認可を受けた業務用周波数帯も利用するし、Wi-Fiのアクセスポイントも利用できる携帯電話を発売するだろう」と述べ、さらに次のように続けた。「だが、例えば、ある顧客がStarbucksの店内のWi-Fiアクセスポイントで通話を開始し、その後店を出ると、通話が商用モバイルサービスに引き継がれるというのは、好ましくない。プライバシーを保護するために施されている対策が、それぞれで違うからだ」
Altschul氏は、1999年に連邦通信法に追加された同法第222条に言及した。同条は「電気通信事業者」に対し、加入者の個人情報や通話記録を保護するために一定の対策を講じるよう義務付けている。
緊急通報ダイヤル911番の通信指令係が通報の発信元を特定できるよう、地理的位置特定技術の携帯電話への組み込みを携帯電話事業者に義務付ける新連邦法に対する懸念に対応し、CTIAは2000年に、特に地理的位置情報を対象とする新プライバシー規則を導入するよう連邦通信委員会(FCC)に陳情(PDFファイル)した。
Altschul氏によると、無線業界は、「(無線事業者や無線サービスの種類が異なっても)自分たちのプライバシー権は同様に保護されるとの期待」を消費者に提供することは無線事業にとってプラスであり、新しい位置情報をベースにしたサービスの提供開始時期が早まるとの結論に至ったという。しかし、FCCは2002年にその案を退け、現行法にも十分に明確な法的義務が含まれていると結論づけた。そしてプライバシー擁護派の人々もFCCの決断を支持した。
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