売上高1兆円が視野に入った好業績のNTTデータ

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 先週末の5月12日にかけて東京株式相場は4日連続安(4日間の日経平均株価の下げ幅は670円に達した)となるなど、ここにきて下値を模索する展開となっている。全体相場が調整局面を迎えているなかで、一部市場関係者のあいだでは好業績を背景として情報システム・ソフト関連銘柄の今後の株価推移に期待する向きが多い。なかでも、業績面での好調さと株価水準から、この業界のリーダーともいえる情報サービス最大手のNTTデータの存在に注目が集まっている。

 NTTデータの2006年3月期の連結決算は、売上高9072億円(前々期比6.2%増)、営業利益468億円(同19.3%増)、経常利益420億円(30.7%増)、純利益281億円(同40.2%増)と大幅増益の好調な結果となった。これは、製造業・流通業向けのシステム構築など法人分野の新規案件や金融機関向けのアウトソーシングサービスの好調、さらにM&A(企業の合併・買収)の上乗せ分が加わったことなどが寄与したことによる。

 計画以上の増収となり、増収効果や減価償却費の減少などにより、売上高に対する営業利益率が5.2%と2005年3月期の4.6%から0.6ポイントも改善した。中央官庁向け大規模システム(特許庁、郵便貯金システムなど)や、製造・流通などの法人分野向けシステムの新規案件などの獲得で受注高も前々期比10%増と4期ぶりにプラスに転じてた。

 この2006年3月期の連結決算にも増して大きな注目を集めているのが、2007年3月期の連結業績見通しだ。売上高1兆円(前期比10.2%増)、営業利益750億円(同60%増)、経常利益690億円(同64.2%増)、純利益430億円(52.5%増)と、非常に大幅な増益を見込んでいるのだ。

 今期は、公共関連分野の社会保険オンラインシステムなどのシステムの最適化計画や、郵政公社の民営化に基づくシステム開発(郵貯総合情報システム)をはじめ、金融、法人のすべての分野での売上高拡大と、会社側が進めてきたM&A戦略の継続および既存M&Aからの成長、また減価償却費などのコスト削減などにより、同社が3年前に設定した中期経営計画の最終年度の目標値でもある今期の売上高1兆円、営業利益750億円を見込める状態になってきた。

 さらに、中期経営計画が今期で終了するため、2008年3月期をスタートとして2010年3月期を最終年度とする新たな3カ年計画が浮上してくる。具体的な数値目標の発表は2007年になるものとみられるが、連結営業利益目標は今3月期予想の750億円に対して1000億円水準がターゲットとなってきそうだ。

 NTTデータの株価は、ライブドアショック後の2006年2月14日に48万9000円の安値をつけたあと上昇に転じたものの、3月29日には同社の元社員が業務受託先の仙台銀行(仙台市)のATM取引記録を不正に持ち出してクレジットカードを偽造、現金1400万円を引き出すとの事件が発覚したことで、一時52万7000円まで下落した。その後は一時反発するものの、下落トレンドをたどっていた。ところが、5月10日の決算発表をきっかけに反転上昇に転じ、先週末の5月12日は一時、前日比1万7000円高の55万9000円までの上昇を見せた。

 今期の連結PER(株価収益率)は35倍台と割安感には乏しいものの、今期以降の業績の急拡大予想は依然株価に十分に織り込まれておらず、上値余地は十分ありそうだ。中期的には株価70万円台乗せが目標となりそうだ。

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