ベンチャーキャピタルを獲得できそうな最有力候補は、Zillow.comのように、マッシュアップに、他の提供している複数のサービスや不動産資産評価、各種情報源のデータを組み合わせている企業だ。Zillow.comは先ごろ、Benchmark Capitalから3200万ドルの出資を受けることが決まった。
Rip氏によると、家や仕事をオンライン地図上で視覚的に見せることは、単なる機能の1つに過ぎないという。しかし、犯罪発生率の低い地域にあり、職場から30分圏内に有名小学校もある物件の価格がウェブサイトで分かれば、それは利益につながるアプリケーションになるかもしれないと、同氏は主張している。
「これらのサイトの多くは、わずかな数のユーザーしか集められないだろう。いったい何人のユーザーが、インディアナ州の田舎町にある飲み屋の情報に関心をもつだろうか」と、Directions Magazineの編集主幹を務めるAdena Schutzberg氏は指摘する。「不動産になると対象はもっと広くなる。まずはこれで収益を確保するか、それができなければ、このモデルの長所を生かす方法を見つけ出す必要があると思う」(Schutzberg氏)
WeatherBonk.comとSkiBonk.comという両マッシュアップサイトを立ち上げたDavid Schorr氏によると、広告以外に収益源として考えられるのは、ホテルや航空会社から紹介料を得るアフィリエイトプログラムだという。しかし同氏は、多くのアフィリエイトプログラムは「自社データの公開に消極的だ」と述べている。。
Outlook VenturesのマネージングディレクターRandy Haykin氏によると、マッシュアップモデルに対する懐疑論には、他社が提供する地図ソフトウェアへの依存など、確かにそれだけの理由があるという。
「マッシュアップの課題は、その運命が他社に左右される場合があることだ。彼らの運命は、Googles、Yahoos、Microsoftsが提供するオープンコンポーネントが握っている。現在までのところ、独立運営できる会社になれそうなマッシュアップはない」(Haykin氏)
複数のマッシュアップサイトを毎日カタログ化しているGoogle Maps Maniaの生みの親、Mike Pegg氏は、GoogleがAPIから手を引くことはなさそうだが、「サポートを提供しないところにコンセプト全体が依存しているのは、ビジネス上リスクがある」と指摘する。
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