日本のビットバレーブームの仕掛け人でもあるネットエイジキャピタルパートナーズの小池聡氏が、自らの米国、日本での起業家・投資家としての経験を踏まえて、失敗を恐れずチャレンジする起業家という生き方を選んだアントレプレナー達の軌跡を対談を通じて追います。今回は、学生時代からベンチャーをスタートさせて、後にaxive.comを起業し、その後は男性向けアパレルなどをオンラインで販売するZeelを起業した尾関茂雄氏にインタビューしました(この記事はネットエイジキャピタルパートナーズのウェブサイトに掲載されたものをCNET Japan編集部が一部編集したものを掲載しています)。
小池:今日は「アントレプレナーの軌跡」ということで今までの起業家人生を振り返って、ざっくばらんに話を聞かせてください。
尾関:よろしくお願いします。
小池:今、起業家として活躍してる尾関君だけど、学生時代から起業家になるべく活動してたの? それとも全然考えていなかった?
尾関:そうですね。場当たり的でしたね(笑)。特に何も考えず、楽しそうなところに顔を出していましたね。
小池:尾関君の大学生時代にも学生ベンチャーが流行ってたと思うけど、そういう活動はしてたの?
尾関:やっていましたね。一番はじめは南青山にある会社があって、太河(編註:松山太河氏--かつてのビットバレーブームの中心的存在)もそこに居たんですけど、その会社が名刺をあげるから自分で勝手に仕事作って商売しなさいって、怪しげな会社だったんですけど……。
小池:何をやってるところだったの?
尾関:占い屋さんだったんですけどね。占いコンテンツなんかやってる。そこに結構学生が集まってたんですよ。
小池:へぇ(笑)。
尾関:そこで太河と作った人材派遣会社を使って営業したり、雑誌とかに学生を派遣したりしてたんです。それで、ちょうどその頃は携帯電話の販売が盛んだった時代で、学生に無料で配るっていうプロモーション企画がきて、それの手伝いをやったり。そんなことしてたんですよ。
小池:そうなの。学生の時に2人で会社を作ったと。
尾関:松山太河が中心だったんですけど、彼がまだアンダーセン(現アクセンチュア)にいた時で。
小池:あ、彼はもう就職してたの?
尾関:そうですね。あと、ほかの会社でインターネット放送とかやったりして……。
小池:そう、じゃ、学生起業家としてやってたんだ。
尾関:そうですね、手伝いですけど、してましたね。
小池:それで、就職はしたんだよね?
尾関:サイバーエージェントに新卒として入りました。学生の時にネットエイジとサイバーエージェントを掛け持ちで手伝ったりしてたんですけど、サイバーエージェントに新卒内定をもらったんで、サイバーエージェントに入ったんです。
小池:そうだよね、あの頃、ネットエイジはまだ渋谷の一軒家の二階を間借りしてオフィスにしていて、尾関君もまだ学生だったね。まぁ、他の社員もほとんど学生ばっかりだったけど(笑)。
尾関:それでサイバーエージェント入ったんですけど、20日くらいで辞めて……。
小池:20日で辞めたの! なんで辞めたの?
尾関:スーツだとか、朝の時間が早いのが嫌だったりして(笑)。それでどうしようかなぁと思ってたら、ネットエイジさんから戻っておいでと言われたんで手伝ったりしながら、そんなこんなで半年くらいやってたんです。
小池:最初はネットエイジでネットディーラーズの営業してたね、そう言えば。
尾関:しかも家庭用の電話機兼ファックスとか使ってやってましたね。
小池:そうだったね(笑)。その頃、サンフランシスコの我が家にも来たことあったよね。
尾関:そうですね。お邪魔しました。
小池:太河君と一緒に2人で来たよね。あれが98年とか99年頃かぁ……。
尾関:それで、シリコンバレーを見て刺激されて、それから半年くらいしてからアクシブ(現ECナビ)を創業したんです。
小池:半年ですぐにアクシブ起ち上げたんだ。
尾関:そうですね。期間はそれくらいでした。4月くらいからビットバレーで出会った連中と話したりしてて、ちょうどネットエイジで新規事業やっていこうかって話もあったりして、じゃあ何かやろうって話になってて。
小池:MyIDという新規事業企画だったよね。色々相談に乗っていたのを思い出しました。
尾関:それでちょうど良い機会だからって、その事業を会社として起ち上げたんですよ。そんな展開です。
小池:それで、ネットエイジから資金提供を受けてスピンアウトし、ベンチャーキャピタルからも増資を受け、順調に会社が伸びて行きましたね。
尾関:そうですね。
小池:その前に宇佐美さん(編註:現ECナビ代表取締役CEOの宇佐美進典氏)との出会いがあった訳だ。
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