仮想化ソフトの新興企業2社、新戦略を発表へ - (page 2)

文:Stephen Shankland(CNET News.com)
翻訳校正:吉武稔夫、福岡洋一
2006年04月03日 22時24分

 AMDやIntelが仮想化技術対応プラットフォームを開発するという大きな変化によって、仮想化技術を開発しようとする企業は、VMwareが用いた巧みな処理を避けて通れるようになった。AMDが数カ月中に投入する「AMD Virtualization」や、Intelが2005年に仕様を公開した「Virtualization Technology(VT)」を利用すれば、Xenを使ってOSを修正無しで動かすことが可能になる。つまりXenを利用して、Linuxだけでなく「Microsoft Windows」も走らせられるというわけだ。

 こうした状況の副産物として、VMwareはXenSourceやVirtual Iron Softwareから、さらに直接的な挑戦を受けるようになるはずだ。それだけではない。もう1つの新興企業Parallelsも、VMwareの地位を狙っている。

 Parallelsが50ドルで販売している「Parallels Workstation 2.1」は「hypervisor」技術をベースにしており、WindowsとLinuxのデスクトップ機に対応している。同社マーケティングマネージャーのBenjamin Rudolph氏によると、2006年前半にミッドレンジサーバ製品を、また2006年後半にはハイエンドサーバ製品を発売する予定だという。

 VMwareは、この分野での首位を保とうと、仮想マシン管理用のインターフェースを公開するとともに、2月には基本的なの仮想化ソフトウェアの無償ダウンロードを開始している。また同社はLinuxWorldで3日、無償で利用できる仮想マシンのディスクフォーマット仕様を公開する予定だ。このフォーマットは、Microsoftの「VHD」やXenの「XVM」のフォーマットと競合するものとなる。

 LinuxWorldでは、仮想化の動きに関していくつかの発表が予定されている。1990年代に始まったLinuxWorldは、オープンソースソフトウェアの影響力の拡大とともに、かなりの変貌を遂げてきている。東海岸でのLinuxWorldは、ボストンで3日から6日まで開催される。

 OS関連の技術を宣伝しようとする出展者のほかにも、オープンソースのデータベースやミドルウェアを扱う企業も参加する予定だ。セッションや基調講演もオープンソースのビジネスモデルがソフトウェア産業全般に与えた衝撃に関するもので、中には「The Death of the Enterprise Software Business Model(商用ソフトウェアビジネスモデルの終焉)」などというタイトルのディスカッションもある。

 IBMはLinuxWorldにおいて、Linuxサーバ強化のために仮想マシンの設計、インストール、設定を支援するサービスを発表する予定だ。これは、メインフレームサーバにおける仮想化技術のパイオニアである同社が、主流となったこの技術から利益を上げようとしていることを示している。

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