ハリウッドの注目を一身に集める「YouTube」とは

文:Greg Sandoval(CNET News.com)
翻訳校正:尾本香里(編集部)
2006年03月31日 11時29分
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 カリフォルニア州サンタクララ発--ティーンエイジャーや20代の若者にとどまらず、多くの人々が、急激な成長を遂げるビデオ共有サイト「YouTube」に殺到している。13カ月前に設立されたばかりのYouTubeは、米国最大級のメディア企業の中からもファンを獲得しているようだ。

 現地で開催された「Digital Hollywood」カンファレンスに参加した、YahooやAmerica Online、Turner Broadcastingといった大企業の幹部たちの話題は、瞬く間に成功を収めたYouTubeに集中した。YouTubeがどうやって利益を上げていくのかはまだはっきりわかっていないものの、ハリウッドの映画会社や電化製品メーカー、インターネットメディア企業が集結したこのカンファレンスで、同社ほど人々の注目を集めた企業はなかった。

 Yahooのビジネス開発マネージャーOren Katzeff氏は、カンファレンスのあるパネルディスカッションで、ブロードバンド技術をうまく活用していると思われる企業を挙げるよう求められた。

 米国時間3月29日に開かれたパネルディスカッションの60名におよぶ聴衆の前で、Katzeff氏はこの質問に次のように答えた。「ここ6〜8カ月の間では、なんといってもYouTubeに強く興味を引かれた。わたしの妹も、このサイトを何時間も見て過ごしているようだ」

 YouTubeは、リアリティショー(バラエティ色のあるものからドキュメンタリーまで、基本的に事実に基づいて構成されるテレビ番組)を見たいという大衆の願望をかなえることで、並み居る競合社からリードを奪った。YouTubeでは、ミュージッククリップや映画の予告といったプロが製作した作品や、一般の人々が撮った映像を視聴できる。同社の広報担当Julie Supan氏によると、同サイトを開設した2005年12月以降、1日の視聴者数は300万から3000万へと急上昇したという。

 しかし、カンファレンスに参加したすべての人々がYouTubeに感銘を受けたというわけではない。多くの企業幹部が、カリフォルニア州サンマテオを本拠とするこの会社は、一体どうやって、GoogleやiFilms、Atom Entertainmentなどの、リソースを大量に保有する競合社の反撃をかわすつもりなのかと、首をひねった。また、20名の従業員を抱える同社がいかにして利益を上げようと考えているかということも、いまだ謎に包まれている。

 YouTubeサイトにはまだ広告が表示されていないし、ビデオのアップロードも有料化されていない。同社の役員は、ビジネスプランに関して今のところ沈黙を守っている。

 インタラクティブサービスを提供するSchematicの最高経営責任者(CEO)Trevor Kaufman氏も、懐疑派の1人だ。同氏は、これまでにも、燃え尽きる前の一定期間だけティーンエイジャー向け市場で人気に火がついたインターネット企業が存在していたと指摘している。

 Kaufman氏は「一時期は、ティーンエイジャーならだれもかれもがBolt.comを利用していたのを覚えている」と述べ、かつては高く評価されていたが、その後MySpace.comなどのサイトに大きく差を付けられたコミュニティサイトを例に挙げた。「YouTubeが映像配信分野で他社に対抗できるブランドを作り上げられるかどうかは、疑問である」(Kaufman氏)

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