--アナリストは、今回の延期が年末商戦でのPCの売り上げに影響しないという見方に異論を唱えています。PCメーカーはすでに、この時期の計画を立てているからです。Vistaの発売を1月に延期しても、2006年第4四半期のPCの売り上げに影響はないと考える理由は何ですか。
ひとつは、これは業界の賛否両論を検討した上で下した決断だということです。年末商戦に間に合うか、間に合わないかというぎりぎりの段階で、業界が何よりも当社に求めていたのは、予測可能であることと、業界に対して、最も責任ある選択を下すことでした。コンシューマー市場では、1月が非常に重要な月になっているという意見もありました。ギフトカードなどの登場により、1月はOEMパートナーにとっても、小売りパートナーにとっても、第2の年末商戦というべき時期になっています。また、米国以外の市場では、年の初めは大型の新製品の投入に適した時期です。このような理由から、われわれは新しい計画に満足しています。
--今回の延期は、デベロッパーとしてのMicrosoftの評判にどんな影響を与えるのでしょうか。もちろん、計画通りに製品を発売できないことで、最も打撃を受けるのはMicrosoft自身です。自社に対する業界内でのイメージや、これらの新製品をあてにしていたパートナーにどう対応しますか。
今回は、期限に対する業界の意見を何よりも優先し、パートナーに十分な予告と準備期間を与えること、ユーザーが安心して使うことのできる、質の高い製品を確実に提供するための計画を立てることを目指しました。繰り返しますが、われわれは業界全体に対して、責任ある選択を下そうとしているのです。一連の発表が、予測可能なパートナーとなるための当社の努力を証明し、われわれにとって重要な中核原則を支持するものとなることを期待しています。
--Microsoftの幹部は以前、Vistaの発売後はWindowsのリリース頻度を上げたいと述べていました。製品のテストサイクルや、開発サイクルの終盤の難しさを考えると、OSのリリース頻度を上げるのは現実的ではないと思いませんか。
この件については、Jim(Allchin)が軽く触れたことがあります。エンジニアリングの質を見直し、「Community Technology Preview」プロセスを導入したことによって、開発サイクルのあらゆる段階で、何をすべきかをかなり正確に予測できるようになりました。年末商戦には、この時期ならではの特徴があります。(Windows XP)Service Pack 2は8月末に出荷されましたが、このタイミングについては、パートナーからさまざまな意見が寄せられました。つまり、われわれは過去の経験から学んでいるけれども、それはリリースの頻度というより、タイミングの重要性であり、さまざまな業界関係者と適切な形で連携し、十分な準備期間を提供することが重要だということです。
--これからは、OSは年明けに発売するのが望ましいということですか。
頻度に関しては、さまざまなOEM/小売りパートナーにとって最もよいタイミングを見極め、業界と連携し、すべての関係者に十分な準備期間を提供するための方法を探りたいと思っています。
--つまり、リリースの頻度に関する考えは、これまでと変わっていない、ということですか。過去から学んだことがあるとすれば、それは頻度ではなく、製品を発売するタイミングだと。
頻度を高めたいという気持ちは変わっていません。考える必要があるのはリリースのウィンドウです。流通チャネルのロジスティクスと、開発が完了してから、パートナーがそれを新型PCに搭載するまでの準備期間をどう確保するか。発売のタイミングは、リリースウィンドウや流通とは別の問題です。
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