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MS担当者が語る「Windows Vistaの発売を遅らせた理由」

文:Ina Fried(CNET News.com)
編集校正:坂和敏(編集部)
2006年03月29日 22時07分
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 Microsoftは、次期OSのクライアント版「Windows Vista」に関して、何度も出荷時期の変更を余儀なくされている。

 ほとんどの業界観測筋は、Microsoftが出荷日を変更するとしても、今年の年末商戦には必ず間に合わせるだろうと考えていた。2004年8月にVista--当時は「Longhorn」として知られていた--の「仕切直し」が伝えられた後では、その見方がますます強まった。ところが、同社は米国時間3月21日に、Vistaの発売をふたたび延期した。

 同社の経営陣は、今回の変更は短期的な痛みであり、長期的にはPC業界の利益につながるものだと主張している。しかし、アナリストたちは懐疑的な見方をしており、今回の延期が年末商戦のPC売り上げにマイナスの影響を及ぼすかどうか、そしてMicrosoftに対するパートナーの信頼が損なわれるかどうかと考えている。

 Microsoftはどのような考えに基づいて、Vistaの発売延期を決めたのだろうか。その答えを探るために、同社のBrad Goldberg氏(Windowsクライアント製品管理ゼネラルマネージャ)に話を聞いた。

--Microsoftは2004年にLonghorn--現在のVistaの開発計画を変更しました。この変更の目的のひとつは、「WinFS」を切り離し、一部の機能を変更することで、Vistaの発売を2006年の年末商戦に間に合わせる、ということでした。この決定を後悔していますか。

 2004年8月に、われわれは3つことを発表しました。Windows開発プラットフォームの一部をWindows XPに取り入れること、WinFSをVistaから切り離すこと、そして2006年後半にクライアント版のVistaを発売することです。これが顧客の意見に基づいた、正しい決断だったことは間違いありません。私は当時の決定のすべてに満足しています。これらの決定は、その後の開発活動の大きな指針となりました。

--Vistaの発売延期は、PCメーカー各社と、彼らの年末商戦におけるPC販売計画にさまざまな問題をつきつけることになりそうです。PCメーカーに対して、何らかの支援策を提供する予定はありますか。

 われわれがパートナーから聞いている話は、そのようなものではありません。OEMパートナー、小売店、チャネルパートナーなどから寄せられた意見のほとんどは、クライアント版が年末商戦に間に合うかどうかをはっきりしてほしいというものでした。彼らが最も懸念していたのは、年末商戦の直前になって、われわれが出荷数を縮小し、商品が足りなくなることや、投資を行った後で計画が変更されることでした。つまり、われわれは業界の一致した意見に基づいて、Vistaの発売を延期することにしたのです。

--Windowsの責任者であるJim Allchin氏は電話会議のなかで、(遅延のひとつの要因は)セキュリティ問題にあると述べています。しかし、セキュリティは基本的にはアーキテクチャの問題であり、もっと早い段階で決まっていることなのではありませんか。最近になって明らかになったセキュリティ上の問題が何かあるのでしょうか。

 Jimが言いたかったのは、主な機能は今年初めにほぼ完成し、今は最終調整に入っているということと、現在は全体的な使い勝手を満足のいくレベルに高める段階にあるということです。ユーザーアカウントの管理はそのひとつです。これは当社が非常に力を入れている分野で、企業と一般ユーザーの双方に、より安全で、安心できるコンピューティング経験を提供するものとなるでしょう。しかし、「Windows XP Service Pack 2」がそうだったように、コンピューティング経験の安全性を高めるための変更は、アプリケーションに影響を及ぼす可能性があります。企業ユーザーと連携する際は、必要とされている変更がアプリケーションに影響を及ぼす可能性を考慮する必要があります。一般ユーザー、ISV、その他のソフトウェアベンダーと連携する際は、堅実さを心がけ、各社の意見を開発に取り入れる時間を確保したいと思っています。

--年末商戦では、VistaとOffice 2007の発売に合わせて、非常に大規模なマーケティングキャンペーンが展開されるはずでした。Vistaの柱であるクライアント版の発売が延期されたことで、これらのマーケティング計画はどういう影響を受けるのでしょうか。

 企業ユーザーからは、「Office 2007とVistaはなるべく同時に実装したい」という声が多く聞かれました。そうすれば、デスクトップをいじるのは一度で済むからです。企業ユーザーに関しては、Officeチームと緊密に連携し、必要なツールと適切なガイダンスを確実に提供するととともに、企業がVistaとOffice 2007を社内ネットワークに円滑に配備できるようにするつもりです。

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