S・バルマー氏:「標的はIBM」 - (page 3)

文:Martin LaMonica(CNET News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年03月27日 08時45分

--今日は「Windows Live」のようなサービスの話は出ませんでした。Bill Gates会長との以前のインタビューでは、ホステッドサービスはコンシューマーよりも、企業の間で導入が進むという話が出ました。サービスの面で、何か進捗はありますか。

 今日は「いかに」ではなく、「何を」の話をしました。サービスとしてのソフトウェアは、どちらかというと「いかに」の話です。また、今日は中小企業ではなく、大企業に焦点を当てました。中小企業と比べると、大企業ではサービスとしてのソフトウェアの普及に時間がかかると思います。Officeに関しては、近い将来に(「Office 2007」の)すべてか、少なくとも大半をLive方式で提供する予定です。

--財務の観点からいうと、Officeの売り上げはインストールベースから、ホステッドサービスのサブスクリプションに移行するのでしょうか。

 すぐに大規模な転換が起きることはないと思います。基本的に、(サブスクリプションや広告モデルに)乗り換えるのは中小企業です。大企業の間で、広告付きソフトウェアが主流になることはないでしょう。General Electricがメールをタダで使うために広告付きメールを利用し、他社がメールの内容を分析し、広告を表示することを許すでしょうか。これはコンプライアンスに適ったやり方ではないと思います。

--ホステッドサービスのサブスクリプションには、大企業も興味を持つかもしれません。

 その可能性はありますが、当社の企業向けソフトウェアの多くは、すでにサブスクリプションと同じような価格モデルを採用しています。当社のライセンスはサブスクリプションに近く、企業は毎年、ほぼ同じ額を支払っています。これをサブスクリプションにしてしまおう、というのが今回の決定です。

--サービスの話が出ましたが、Microsoftは2005年の秋に大規模な組織再編を行いました。再編の狙いは事業のスピードを早め、サービスに焦点を絞ることでした。これまでの進捗はいかがですか。

 上々だと思います。私は3人の強力なリーダーに物事を集約することで、現場に近い場所で意思決定が行われるようにしたいと考えていました。これは達成できたと思います。それが組織改編によるものなのか、開発サイクルが終わりに近づき、全般的に状況が好転したことによるものなのかは分かりません。しかし、OfficeにLive機能が盛り込まれ、「Dynamics」製品ラインにLive機能が盛り込まれつつあることは事実です。FrontBridgeも買収しました。Live機能はサーバやツールインフラにも採用されつつあります。Windows Liveのベータ版からは、毎日のように新しい発見があります。実に刺激的です。「Xbox 360」の登場によって、「Xbox Live」の性能も一段階上がりました。

--こうした変化の一部は、Googleが注目を集めていることへの反動なのでしょうか。

 反動だとは思いません。私が最初にサービスとしてのソフトウェアの重要性を訴えたのは5年前です。それ以降、当社はさまざまなことに対処してきました。Linuxが注目すべきライバルとして登場し、これに対応するために、開発スケジュールを調整しました。「Windows Vista」とOfficeの方向性も見直さなければなりませんでした。現在、開発サイクルは終わりに近づきつつあります。当初考えていたより、少し時間はかかるかもしれませんが、調子は上がりつつあり、(サービスの)テーマは次の段階に進もうとしています。

--セキュリティの面で、企業との信頼関係はどうなっていますか。

 よくなりましたし、さらによくしていかなければなりません。前進中です!当社がセキュリティとTrustworthy Computingを最優先項目に掲げていることを、企業は十分に理解していると思います。前に比べれば、はるかによくやっている--そう考えていただいていると思います。しかし残念ながら、セキュリティは既知の問題の範囲を超えるものではなく、完璧ではありえません。

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