「われわれがこうした新たな市場を作り出せば、すべての人々が競争に参加するチャンスを得られる」(Otellini氏)
このほかにも、Otellini氏は次のような話題に言及した。
- Otellini氏は、2006年からIntelチップをコンピュータに搭載するようになったApple Computerを、デザインに重点を置くという考えを市場にもたらしたとして評価した。「Appleは、消費者が少しでもデザインが優れているものを購入するということを知らしめた」(Otellini氏)。またOtellini氏は、Apple製品以外のIntelプロセッサ搭載PCは退屈だという同社の主張を宣伝するために「資金をつぎ込んだことはない」とも話している。
- Otellini氏の予測では、近い将来、新興市場向けのPCがあちらこちらで登場するという。Intelでも、1カ月前後のうちに、ブラジルおよびメキシコ市場向けのPCに関する発表を予定しているそうだ。
- Intelが最高業務責任者(COO)を新たに任命することはしばらくないという。Otellini氏は、専任のCOOを抱えている企業はわずか24%であると指摘し、「あらゆる角度から見ても、そうしたポジションを設けることが当たり前だとは言えない」と話した。通例では、IntelのCOOは次期CEO候補であると見なされている。また、Intelの社内規則によれば、Otellini氏は2011年にCEOを退任しなければならないが、この規則は取締役会によってすでに修正されていると、同氏は話した。
- 65ナノメートルプロセスによる生産量が上がれば、Intelは2005年に直面したチップセット不足を克服できるという。65ナノメートルプロセスでチップを製造することになれば、チップセットを90ナノメートルプロセス工場で製造し始められるからだ。「これまではチップセットの製造が追いつかなかった。われわれのプラットフォーム戦略の下では、すべてのプロセッサで、チップセットが手に入るようにしなければならない」
- 特許法を改正する必要があるとも同氏は述べる。Intelは、特許訴訟の当事者に差し止め命令を出すことを禁じるように特許法を改正する考えを支持している。何らかの特許を侵害しているとしてIntelが訴えられた場合、現状のままだと、PC業界の動きが停止してしまうと、Otellini氏は述べる。Otellini氏はまた、米特許商標庁に対する支援を呼びかけた。「国家として、米特許商標庁には、特許を十分に吟味したり、先行技術を調査したりするための資金が必要であることを認識しなければならない」と述べた。また、特許に話が及ぶとOtellini氏は、Research In Motion(RIM)がIntel製のチップを大量に購入していると述べた。「RIMのニーズに応じるため、ウエハの製造を急いでいる」と同氏は言う。