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「速度8ノット、敵追跡中」:分散コンピューティングで解読されたEnigmaの暗号

文:Graeme Wearden(ZDNet UK)
翻訳校正:河部恭紀(編集部)
2006年02月28日 12時32分
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 ある分散コンピューティングプロジェクトが、第2次世界大戦中にドイツ軍の暗号機「Enigma」で暗号化され、これまで未解読だったメッセージの解読に、終戦後60年を経て成功した。

 このM4 Projectは、Enigmaで作成した3つの原文を解読する目的で1月上旬に始まった。これらのメッセージは、1942年に傍受したものの、連合軍が解読していなかったとされる。

写真提供:Michael Kanellos

 これらのメッセージは、4ローター式のEnigmaを使って暗号化されている。膨大な数の組み合わせ(2×10の145乗)を設定し、それぞれがテキストメッセージを異なる形で暗号化できるため、ドイツでは、この機種で作成された暗号文は解読不可能だと考えられていた。

 英Bletchley Park研究所の暗号技術者たちは、Alan Turing指揮のもと初期のコンピュータを開発し、同時に設定可能な数を力作業で絞り込むことにより、Enigmaを何とか解読していた。

 M4の主催者らによると、彼らが開発したオープンソースのメッセージ解読アプリケーションは、3つのメッセージのうち1つを先週始めに解読したという。

 このメッセージは以下のような内容だった。

 無線信号1851/19/252:「F T 1132/19内容:攻撃中緊急潜水。対潜爆弾。最終敵位置0830時、対妨信9863、(方向)220度、(速度)8ノット。(敵)追跡中。(気圧計)14 mb低下、(風向)北北西、(風力)4、視界10(海里)」

 同プロジェクトの主催者らは最初のメッセージ解読にあたり、暗号化されたメッセージについて4ローター式Enigmaで考えられるすべての設定を、いわゆる力ずくでテストした。しかし、使用した設定には、マシンのローターで処理を始める前にオペレーターが2つの文字を入れ替えることのできる配線盤部分が含まれていなかったという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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