「国民IDシステムはテロ対策にならない」--米討論会にてパネリストらの意見が一致

文:Dawn Kawamoto(CNET News.com)
翻訳校正:尾本香里(編集部)
2006年02月17日 22時00分
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 カリフォルニア州サンノゼ発--米自動車管理者協会の会長は米国時間2月16日、自動車関連の政府機関は、国民IDカードの導入を容易にするために必要な措置として、互いのデータベースを統合し、また恐らく、運転免許証にチップを組み込まなくてはならないだろう、と語った。

 米国自動車管理者協会(AAMVA)のLinda Lewis-Pickett会長によると、国民IDカードに使用される技術は、運転免許証に組み込まれるチップのような形になる可能性が高いという。

 当地で開催中のRSA Conference 2006において、National ID Systemをめぐる論議をテーマとした公開討論会が行われ、Lewis-Pickettもパネリストの1人として参加した。

 「自動車登記所(Department of Motor Vehicles:DMV)の準備の段階は部署によって様々で、国民IDカードの発行にこぎつけるには、(準備体制の)大幅な充実を図る必要がある」とLewis-Pickettは語る。

 同氏はさらに、様々な州で国民IDシステムに利用可能な情報を共有するための相互運用手段を開発する必要があると付け加えた。

 同討論会では、国民IDシステムではテロ対策にならないということで参加者全員の見解が一致した。テロ対策は、2005年に可決され、2008年に発効予定のReal ID Actの目的の1つである。

 Real ID Actは様々な形で米国民に影響を与えることになる。具体的には、航空機への搭乗、社会保障給付金の受給、事実上全ての行政サービスの利用の際に連邦政府公認のIDカードの提示が義務付けられる。

 Counterpane Internet Securityの最高技術責任者(CTO)であるBruce Schneierは「(国民IDの)データベースシステムには、悪人を判別できるフィールドがない」と指摘する。

 討論会のパネリストらは、国民IDシステムは、テロ対策に役立たないという問題以外にも複数のセキュリティ問題を引き起こす可能性があると指摘し、その具体例として、データベース内の情報が悪用される可能性や、国民IDカードを利用するたびにその情報が商業目的で収集されるといった問題点を挙げた。

 「これは技術の問題ではなく、ルールの問題だ。誰が情報にアクセスできるのかについてルールを定める必要がある」と語るのは、戦略・国際問題研究センター(CSIS)のシニアフェロー兼技術&公共政策担当ディレクターJames Lewisだ。CSISはワシントンDCに拠点を置く、軍と関係の深いシンクタンクだ。

 IDカードの発行プロセスはまた別の問題であり、こちらも厳重に監視する必要がある、とパネリストらは警告した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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