次第に明らかにされるIntel製デュアルコアプロセッサ「Merom」の姿

文:Tom Krazit(CNET News.com)
翻訳校正:尾本香里(編集部)
2006年01月31日 13時06分

 Intelからまもなく登場するMeromは、2007年3月に「Santa Rosa」プラットフォームが公開されると同時に、処理能力の向上が図られる。Santa Rosaプラットフォームでは、フロントサイドバスの高速化とワイヤレス関連チップの改良が行われている。

 Intelは2006年後半に、新しい設計ルールに基づいて開発されたノートPC向けデュアルコアプロセッサの「Merom」をリリースする計画だ。Meromでは、Intel初のノートPC向けデュアルコアプロセッサである「Core Duo」と同じ原理を利用して、消費電力の低減が図られている。これに加え、Meromは64ビット処理をサポートするほか、キャッシュメモリの容量も増加している。

 Intelはここ数年、新しいプロセッサに合わせて新しいチップセット技術や無線チップを発表してきた。しかしMeromでは、1月にCore Duoと同時に発表された「945GM」および「945PM」チップセットが採用される。業界の情報筋によると、 Intelは2007年3月までにMeromを、Santa Rosaプラットフォームの一部としてリリースされるCrestlineチップセットに対応させる予定だという。この動きについては、PC Watchが自社サイトで最初に伝えている。

 Crestlineでは、フロントサイドバスの速度が800MHzに引き上げられる。フロントサイドバスは、プロセッサとメモリを接続するもので、システムのパフォーマンスに影響を与えるきわめて重要な要素となっている。IntelのライバルAdvanced Micro Devices(AMD)は近年、Opteron、Athlon 64、およびTurionプロセッサにフロントサイドバスを直接組み込む判断を下し、Intelに対してパフォーマンス上優位に立ってきた。こうすることで、メモリコントローラがプロセッサと同じ速度で動作するようになる。

 フロントサイドバスの高速化により、2007年に登場するSanta Rosaが採用されたシステムの性能は、Meromと945モバイルチップセットをベースにした2006年版のシステムよりパフォーマンスが向上するようになる。現在、同チップセットは667MHzのフロントサイドバスを採用している。

 先の情報筋によると、Santa Rosaを構成する無線チップ「Kedron」は、近い将来登場する802.11n無線通信規格をおそらくサポートすることになるという。802.11n標準ベースのチップは、MIMO (Multiple In、Multiple Out)技術を採用することで、Wi-Fiネットワークの通信範囲や大域幅を拡大する。802.11n認定を受けた無線ネットワーキング製品は、2007年前半に登場する見通し。

 Intel関係者は、Santa Rosaが2007年に登場するIntelの次世代モバイルプラットフォームのコード名であることを正式に認めている。だが、同技術のほかの部分についてはコメントを控えている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。 海外CNET Networksの記事へ

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