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中国で影響力の大きいグローバル企業ベスト20--ソニーや松下もランクイン

包 偉(メイプルカンパニー)2006年02月03日 11時15分
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 「華流ITマーケットウォッチ」では、中国・瀋陽に合弁会社を設立し、オフショア開発や中国市場調査を行うメイプルカンパニーの包偉(バオ・ウィ)が、中国のIT事情を紹介する。今回は、中国で実施されたある調査で「中国で最も影響力のあるグローバル企業」ランキングに選ばれたIT企業を紹介しよう。

 この調査は、中国の調査会社3社--上海第一財経伝媒、零点調査、中智公司(中智上海経済技術)--が、北京、上海、広州、武漢、瀋陽などの7都市に在住する市民2246名(14〜60歳)と、北京、上海、広州、武漢の4都市でグローバル企業に勤める従業員984名、企業経営者537名を対象に11月下旬から12月にかけて実施したもの。調査内容は、企業イメージから商品、市場競争力、内部管理体制にわたるまで多岐にわたった。

 「2005年に中国で最も影響力のあった多国籍企業」調査でトップ20にランク入りした企業を国や地域別にみると、米国企業が11社と最も多く、それに欧州の6社が続いた。ランキング入りした日本企業は2社、韓国企業は1社だった。選出対象となった企業はあくまでも「グローバル」に活躍する企業であって、外資系企業だけに限定されていたわけではないが、2005年のランキングには中国企業の名前が1社も見当たらなかった。なお、2004年のランキングには、家電メーカーの海爾(ハイアール)や聯想(レノボ)が含まれていた。

2005年の中国で最も影響力の大きかったグローバル企業ベスト20
順位 企業名 順位 企業名
1 マイクロソフト 11 モトローラ
2 マクドナルド 12 ペプシ
3 コカ・コーラ 13 シーメンス
4 ノキア 14 ユニリーバ
5 ケンタッキー・フライド・チキン 15 プロクター・アンド・ギャンブル
6 ソニー 16 ビー・エム・ダブリュー
7 松下電器産業 17 カルフール
8 アイ・ビー・エム 18 ネスレ
9 サムスン 19 アメリカン・インターナショナル保険
10 アムウェイ 20 ナイキ

 ベスト20にランキング入りしたIT関連企業は、マイクロソフト、ノキア、ソニー、松下電器産業、IBM、サムスン、モトローラ、シーメンスだった。以下に各IT企業の中国における活動を紹介しよう。

マイクロソフト(1位)

  マイクロソフトは今回の調査で、1位の座を獲得した。さまざまな評価指標のなかでも、同社は経営力、市場競争力、人材資源、内部管理などで1位と評価されたほか、認知度、社会貢献度、企業文化やリスク管理などの面でも高い評価を得ている。

  マイクロソフトは中国の貧困地区における学校建設などの教育支援や、社会福祉援助活動を積極的に展開している。また、2003年にはSARS対策に4万2607ドル(直近の為替換算レートで約504万円)の支援をするなどして、中国国民からの支持を得ている。

  同社は2006年に入り、西安に12カ所目の事務所を立ち上げる計画を発表している。マイクロソフトは1992年に中国発の事務所を北京で立ち上げ、その後、1996年には上海、杭州、重慶に進出している。12箇所目の事務所を開設するという今回の発表は、中国の市場開発により一層の力を入れていくという同社の意志の表れであるといえよう。

ノキア(4位)

  ノキアは、中国に進出した移動体通信メーカーのなかでも、(同国からの)最大の輸出量を誇る企業だ。中国はノキアにとって重要な生産/研究開発拠点となっているのである。同社は現在、中国に5つの研究開発施設と4つの生産工場を持つほか、中国全土にサービス拠点を展開している。また、ノキアの商品は中国消費者の間で根強い人気を集めている。一般消費者は、ノキアの商品について、実用性と耐久性が高いと考えているようだ。

ソニー(6位)

 ソニーは今回の調査で、後述する松下電器とともに、「内部管理がよくできている」企業と評価されている。両社とも企業イメージや商品イメージ、企業競争力の項目で高いポイントを獲得する一方で、社会貢献度や企業文化などの得点が振るわなかった。

 ソニーと言えば、2005年12月に浙江省でデジタルカメラの品質問題が指摘され、販売が差し止められたことが記憶に新しい。このときは中国でも、日本側との意見の食い違いが多数報道され、「国際ブランドに対する不信感が広がった」(国営新華社通信)という記事や、「(ソニーは返品を受け付ける際に)商品代金だけでなく、返品にかかった交通費も支払うべき」といった指摘も見受けられた。

 こうした問題が調査時期に重なったにも関わらず、ソニーはランキング入りを果たしている。このことから、同ブランドの根強い人気が伺える。ソニーは中国に6カ所の大型生産工場を構え、液晶テレビやノートPC、ステレオ、デジタルカメラ、DVDプレイヤー、プロジェクターなどを生産している。また、同社は1994年から2002年までの間、「ソニー奨学金」を設けて教育支援も行ってきた。

松下電器(7位)

  松下電器の中国進出は、1979年に国際交流基金を通じて、北京大学や復旦大学に語学教育用のLL(Language Laboratory)設備を寄付した活動から始まった。現在、同社は中国で通信機器を開発し、どこでも、いつでも、誰でも利用できるネット社会を整備することに力を入れている。松下電器は2006年に中国で700億元(直近の為替換算レートで約1兆270億円)を売り上げることを目標に掲げている。

IBM(8位)

 IBMの中国における歴史は1979年に瀋陽送風機に中型計算機を納入したところから始まる。同社は、80年代後半には北京と上海に事務所を設置し、1992年には北京に100%出資子会社を設立し、そこでの従業員数は5000人にものぼる。IBMは1995年に研究センターを立ち上げ、150人あまりの研究員を雇用している。1999年にはソフト開発センターも設立され、2000人ほどのソフト技術者を採用している。2005年3月には、次世代eコマース技術を開発するために、広州の華南理工大学や香港大学と共同の研究センターを設立した。

 IBMは中国の教育支援にも積極的だ。例えば同社は、2005年の6月から12月にかけ、大学生を対象としたソフトウェア開発コンテストを開催している。このコンテストには、中国本土や香港、マカオ、台湾を含む100校余りのコンピュータ関連学部の学生1500名以上が参加している。同社は1995年以来、中国の大学に、総額10.1億元(直近の為替換算レートで約148億円)にのぼるコンピュータ設備やソフトウェアなどを寄付している。

サムスン(9位)

 サムスンは、日本のソニーや松下電器のように、中国の消費者によく知られる韓国メーカーである。サムスングループ30社あまりのうち18社が中国に進出している。サムスンのこれまでの対中投資額は40億ドル(直近の為替換算レートで約4730億円)。また2004年の中国での売上は243億ドル(直近の為替換算レートで2兆8750万円)だった。

モトローラ(11位)

 モトローラは1997年に中国に進出して以来、携帯電話、無線通話機器、自動車電子部品を生産している。同社は中国に現地法人を4社設け、その下で15カ所の研究センターを運営している。同社は2004年12月末時点までに、中国に35億ドル(直近の為替交換レートで約4140億円)もの投資をしている。モトローラは、中国の貧困地域における学校支援や、西部開発への寄付を行うほか、環境保護のため全国153都市で不要になった携帯電話と充電池の回収事業を開始した。

シーメンス(13位)

 シーメンスの中国進出は1872年にまでさかのぼるといわれている。シーメンスは現在、情報通信から電子自動化産業、電力、医療、照明、家電にいたるまで、幅広い事業を中国で展開している。2004年9月末までの対中投資額は85億元(直近の為替交換レートで1240億円)に上り、年間384億元(直近の為替交換レートで5630億円)の売上を上げる。中国全土に45の現地法人を持つほか、46カ所のサービスセンターを設けている。3万人余りの従業員を雇い、中国の失業問題にも大きく寄与している。

 

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