最近のAppleイベントではメディア関連の発表が目立っていたが、今回の基調講演ではこの分野の発表が少なかった。しかし、JobsはiTunes Music Store(iTMS)で「Saturday Night Live」のビデオ販売が開始されたことや、10月以降iTMSで800万本以上のビデオが販売されたことを明らかにした。
iTMSでの楽曲販売数はサービス開始時から累計で8億5000万曲に達し、順調にいけば数カ月以内には10億曲を越え、1日あたり約300万曲を販売するようになると、同氏は付け加えた。
Jobsはまた、iPod用の新しいFMラジオ搭載リモコン(49ドル)も発表した。競合するMP3プレイヤーの大半にはFMラジオ機能が標準で搭載されている。
これらのメディア関連の話題を別にすると、この日の発表では新世代のソフトウェアに重点が置かれていたが、その大半はポッドキャストの成功に発想を得たようで、Macユーザーが映画や写真、オーディオをより簡単にネット配信できるように考えられたものだった。
Jobsは、「iPhoto」の新バージョンのデモに多くの時間を費やした。同ソフトウェアにはオンライン写真アルバムの作成を可能にする「フォトキャスティング」機能が新たに搭載されたが、この機能を使えば、ちょうどブログやポッドキャストのように、自分以外の登録ユーザーのコンピュータに新しい写真を自動的にダウンロード配信することが可能になる。
この新しいiPhotoは、これまでのものよりも処理速度が向上したほか、最大で2万5000枚の画像を取り扱えるようになったとJobsは付け加えた。
音楽製作用ソフトの「GarageBand」もアップデートされ、新たにポッドキャスト製作用の機能が追加されたことで、ポッドキャストの作成や配信プロセスがいままでより簡単に行えるようになった。
また、「iWeb」という新しいアプリケーションも予想通り「iLife」に追加された。このソフトウェアを使えば、iLifeの他のアプリケーションにあるオーディオやビデオ、写真などの素材を利用しながら自分のウェブサイトをわずか数分で作成できる。iLifeの価格は79ドルに据え置かれ、また新しいMacには無償で同梱される。
JobsはiLife '06について、「すごい製品がリリースされた。これにより、われわれは世界中でほかの誰よりも先をいくことになるだろう」と語った。
このiLifeを含む同社の一般ユーザー向けアプリケーションは、新しいMacに採用されたIntel製プロセッサにネイティブに対応するほか、Power PC搭載Macでも動作可能になる。一方、プロ用のオーディオ、ビデオ、写真編集用アプリケーションなどは3月にアップデートされる予定で、顧客は既存のソフトウェアの最新バージョンを49ドルで購入できるようになると、Jobsは説明した。
また、「Microsoft Office」をはじめとする他のアプリケーションも、「Rosetta」という移行用ソフトウェアを利用することで、大半がIntel Macでスムーズに動くようになると同氏は述べた。RosettaはすべてのIntel Macに同梱される。
MicrosoftのRoz Ho(Mac Business部門ゼネラルマネージャ)は、Jobsとともに基調講演の壇上に立ち、MicrosoftではIntel Macに対応するOfficeの開発が予定よりも早く進んでいると語った。さらに同氏は、Microsoftが今後最低でも5年間は引き続きMac版Officeの新バージョンを開発していくという契約をAppleと結んだことを明らかにした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス