今年のCESはビデオ関連の話題が目玉に - (page 2)

文:Michael Kanellos(News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年01月04日 11時02分

 また、ハードウェアベンダーにとってもよいニュースばかりとは限らない。Viivのようなリビングルーム向けPCは過去に失敗した例があるため、今回PCメーカー各社はIntelのコンセプトに限られたエネルギーしか費やしていないと情報筋は述べている。また、家電メーカー各社は、高性能なセットトップボックスとデジタルハブとして機能するテレビを投入し、PCベースのエンターテインメント配信に対抗してくると見られている。

 さらに、ホームエンターテインメント向けのネットワーク標準についても争いがある。Airgo NetworksをはじめとするWi-Fi関連各社では、802.11nという無線技術の仕様が家庭内での映画転送用として選ばれることになると主張している。

 だが、電力線(BPL)ネットワークを支持する企業各社はこの考えに異議を唱えており、顧客の採用がそのことを証明していると述べている。昨年ビデオ・オンディマンドのサービスを開始したスペインのTelefonicaでは、1日に2000人もの新規加入者を集めているが、こうした顧客の多くは電力線ネットワークを選んでいると、BPL用モデムを提供するDesign of Systems on SiliconのCEO、Jorge Blascoは述べている。

 「ビデオ転送が可能な技術で競合するものはない。われわれは50個のチップをすでに販売した。2006年には通信事業者がビデオ・オンディマンドの大きな牽引役を果たすだろう」(Blasco)

 さらに、Verizon CommunicationsやFrance Telecom、BellSouthなどでも現在BPLモデムの試験を行っていると、同氏は付け加えた。Design of Systems on SiliconはCESで、BPLモデムが動作するように手を加えたPCやセットトップボックスのプロトタイプを公開する予定だ。

そのほかのトレンドについて

 このほか、CESで注目すべき話題としては以下のようなものがある。

・アジア勢の支配。2年前のCESでは、GatewayやDell、Hewlett-PackardなどのPCメーカー各社が、テレビやMP3プレイヤーを展開して、SamsungやLG、ソニーなどの家電メーカーが支配する市場に食い込むための計画を発表した。

 ところが現在でも、SamsungやLGなどアジアの大手企業がいまだにCESで最も大きなスペースを占め、大半の市場で優位な位置に立っている。米国のPCメーカーはいまでも家電製品を販売しているが、彼らの市場参入によってブランドや顧客のロイヤリティに大きな変化が起こることはなかった。「彼らは融合を視野にゆっくりと動いてきた」とNPD TechworldのBakerはいう。「しかし、iPodやTiVoは非常にアメリカ的な製品だ」(Baker)

・ハードディスクレコーダー内蔵テレビ。2006年には数多くのメーカーが、100Gバイト以上のハードディスクを搭載したデジタルビデオレコーダー内蔵テレビのリリースを計画している。プラズマテレビも以前として強いが、液晶テレビの数のほうがはるかに多くなるだろう。

・東芝とキヤノンは、初のSEDテレビを披露すると見られている。これらのテレビは、SamsungやApplied Nanotechによるプロトタイプと同様に、ナノチューブや他の分子を使って画面に電子を照射する。その結果、液晶テレビと同じサイズや形状で、しかも画質で勝るテレビができる。

・「Blu-ray」と「HD DVD」の戦い。競合する次世代DVD技術を押すそれぞれの陣営では、報道陣向けの発表会を開き、2006年に発売予定のプレイヤーや映画タイトルについて詳細を明らかにする。Blu-rayを支持する映画会社や技術企業は多いが、しかしHD DVD陣営では同フォーマットのほうが導入しやすいと主張。さらに、HPなど一部の企業では両方のフォーマットをサポートすることにしている。

・MP3プレイヤー。数多くのモデルが出品されるだろう。その大半はフラッシュメモリーを採用したもので、またオーディオファイルに加えてビデオファイルを再生できるものも多くなるだろう。

・Appleの話題。同社は来週サンフランシスコで開かれるMacworld Expoで製品を発表することになっているが、だからといって同社に関する話題がでないというわけではない。Intelは6日に「Yonah」チップを発表することになっているが、Appleでは同チップを初のIntel Macに搭載すると見られている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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