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“RSSビジネス元年”の立役者らが腹を割る期待と思惑 - (page 2)

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 ゆめみの片岡氏は、セッション前日にあたる11月21日に、次世代モバイルインターネット市場を開拓する戦略会社「株式会社Sweet」を設立したことを発表した。ソリューションの第一弾として、FeliCa端末に対応した携帯電話用RSSリーダー「Sweet」の配布を開始している。

 携帯電話の場合は、モバイルならではの利点を追究しなければビジネスとして成り立たないため、PCとの差別化として「リアル店舗との連携」を前面に押し出した。店舗に設置されているFeliCa端末にSweetをインストールしたおサイフケータイをかざすと、その場でRSS情報が取得でき、メールアドレスを登録することなく店舗情報を受け取れるのが特徴だ。つまり、ユーザーが個人情報を第三者に晒さずに取得できる。取得したRSS更新情報の中に今後の予定が入っていれば、携帯電話のカレンダー機能へ自動的に登録される。

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リアル店舗との連携を進めるゆめみの片岡氏

 片岡氏は自社のポジションを「受信レイヤーにフォーカスしている」としながらも、RSSフィードビジネスにおける今後の展開を考えると、「複数のレイヤーにまたがらなければ市場そのものが拡大しない」という見解を示した。具体的に動いているのはブログとの連携だ。携帯電話用のRSSフィードを配信できるブログを用意してリアル店舗へ提供し、クーポン券や店舗案内を端末に取り込み、端末同士でやり取り可能な技術「トルカ」を搭載したドコモ902i端末であれば、読み込んだRSS情報がトルカへ変換される。トルカとの連携により、情報配信に付加価値を与えるレイヤー部分をも担うことになるのだ。

利用を意識させないRSSビジネスの起爆剤

 RSSフィードビジネスを進めていく中で無視できないのが、クライアント側の環境だ。RSSリーダー、ウェブブラウザ、ポータルサイトでのRSS取得……。現状はどうなっているのだろうか。

 塚田氏は、「単体のRSSリーダーを使っているユーザーは、自分でRSSリーダーを検索してソフトウェアをインストールし、かつ読みたいウェブサイトのRSSを登録することから、明らかにRSSを意識しているだろう」としながらも、米Yahoo! が4000人のモニターを対象にしたデータを参照に一般の現状を語った。その調査によると、「RSSを知っている」と答えたのは全体の12%で、そのうち実際にRSSを利用しているのはわずか4%という結果が出た。

 しかし、一見非常に少なく見える数字にはわけがあった。米Yahoo! は「My Yahoo!」をRSSリーダー化し、任意のRSSをMy Yahoo! へ取り込むサービスを提供している。こちらを「RSSを取得している」と認識しないまま使っていた人が全体の27%もいたのだ。つまり、RSSは潜在的なユーザーが多いのではないかと考えられる。日本でもウェブブラウザ「Internet Explorer 7」へRSSリーダーが実装されたり、ヤフーでもMy Yahoo! のRSSリーダー化が進めばそれらが起爆剤になるだろうと塚田氏は予測する。

 こうした中で、田中氏に対しては「RSSにおける広告ビジネスは競合他社がある中で、RSS広告社の差別化要因はどこか」という質問がなされた。これについて、田中氏は「検索エンジンのロジックのみに頼らない日本語解析能力の高さだ」と考えている。日本語の精度を上げるため、約10万語の固有名詞を手動で入力した専用辞書を構築している。さらにRSS広告社が配信している広告が、記事エントリーとマッチしているかどうかを常に人の目でチェックし、誤りがあれば手作業で登録し直してきた。

 日本語の解析力を高めるのは広告の内容と合致する力を高めることにもつながるが、広告そのものにボリュームがなければ、いくら合致する率が高い分析をしても広告を表示する回数が少なくなり、その結果広告枠数がさばけなくなるという問題もある。その点に関してRSS広告社は見積もりの仕組みに工夫を凝らした。具体的には、クライアントに対して関連性の高いワードを見積もりと共に提案し、ボリュームを稼いでもらう方法だ。

 また、携帯電話向けのRSSフィードがまだまだ少なく、PC向けブログの閲覧のみに止まっている現状について片岡氏は、「通信キャリアの公式サイトに登録されているコミュニティは、ユーザーが自由にコンテンツを書き込むのを禁止もしくは制限しているので、RSSフィードサービスが成り立ちにくい」と見ている。ようやく普及しはじめているモバイル用のブログに、RSSの利用を促進させる可能性を感じるとの見解だ。

 現在、RSSフィードビジネスの中では特に「付加価値追加レイヤー」が注目されているというのが田中氏の見解だ。RSSを利用したビジネスが立ち上がったばかりであり、今後はポッドキャスティングも1つのビジネス形態になる可能性があるとした。

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