検索はケータイメールだけで完了--ニワンゴの戦略がmobidecで明らかに

永井美智子(編集部)2005年11月29日 22時43分

 ドワンゴが2ちゃんねるの管理人である西村博之氏を取締役に迎え入れて設立した新会社「ニワンゴ」の事業戦略が11月29日、モバイル関連のカンファレンス「MCF モバイル コンファレンス 2005 (mobidec 2005)」において明らかになった。ユーザーが知りたい情報のリクエストを携帯電話のメールに書いて送信すると、その答えがメールで送られてくる仕組みだ。2006年1月よりサービスを開始する。

 ニワンゴは11月14日に設立された企業で、西村氏を取締役管理人に迎えたことから注目を集めていたが、その事業内容は明らかにされていなかった(関連記事)。なおニワンゴはドワンゴが75.1%、西村氏が取締役を務める未来検索ブラジルが19.9%、携帯電話向けのコンテンツ制作会社であるCELLが5.0%を出資している。社名のニワンゴは、「2ちゃんねる」と西村博之氏の「二」を組み合わせたものだ。

*編集部注:社名のニワンゴの由来について、「『ドワンゴ』と『2ちゃんねる』を組み合わせたもの」と記載しておりましたが、広報から「ドワンゴと西村博之氏の『二』を組み合わせたもの」と修正がありましたので、記事を変更致しました。

 ニワンゴのサービスは次のとおり。まずユーザーは携帯電話のメールの本文に知りたいキーワードを入力し、m@niwango.jpに送信する。すると、ニワンゴから検索結果がメールで送られてくる(例)。なお、このサービスはPCからは利用できない。

例:天気予報を調べる場合には「天気 東京」のようにキーワードを入力して検索する

 サービス開始時には辞書、乗換案内、天気、地図、ニュース、小説などの情報が検索できるようにする。それぞれコンテンツホルダーと提携しており、昭文社、ジョルダン、インクリメントP、ニューズウォッチなどがパートナーとなっている。また、2ちゃんねるの掲示板検索や、ドワンゴの「いろメロミックス」を使った着信メロディ検索などもできる。

 検索エンジンはニワンゴが未来検索ブラジルと共同で独自開発したもの。あらかじめ設定したキーワード(辞書、天気など)以外のものが入力された場合は、そのキーワードを学習するとともに近いと思われる結果を返信するという。ニワンゴはメールを利用した今回のサービスについて、ドワンゴと共同で10件の関連特許を申請している。

「携帯電話の勝手サイトでコミュニティが盛り上がると面白い」と語る西村氏

 西村氏は今回のサービスについて「携帯電話でウェブを見るのは面倒くさいと考えるユーザーは多い。そういったユーザーにサービス提供者が歩み寄る必要があると感じていた。より手軽に使えるメールで使いやすいサービスを提供すれば使ってもらえるのではないか」と狙いを説明した。

 また、ニワンゴ代表取締役の杉本誠司氏は「携帯電話でインターネットに接続可能なユーザーは7700万人いるが、ブラウザを利用している人は62%しかいない。一方、メールを使っている人は92%いる」と話し、メールを利用することでより大きな市場を狙えるとした。

 ニワンゴのサービスは広告ベースで、無料で提供される。広告の掲載方法については検討中というが、「リスティング広告と相性がいいと考えており、検索結果と一緒に広告もメールに載せたり、ニワンゴからのメールと同時にスポンサーからメールが送られるといったことが考えられる」(杉本氏)という。

 当初は検索サービスのみの提供となるが、順次コミュニティサービスも開始する考えだ。ユーザーに専用のメールアドレスを割り当て、ユーザーは自分の日記や写真などをそのメールアドレスに送信してオンラインストレージとして活用する。他のユーザーがそのメールアドレスにメールを送ると、その人の日記などが閲覧できるようになる仕組みを検討している。

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